2010年

6月

17日

KinectとPSムーブとWiiは何が違う? E3でプレイして確かめてみた

E3は2日目も大変な盛況ぶり。今日は丸一日会場中を歩いて回ることができました。昨日はニンテンドー3DSのお話をしましたが、今日は触らないと分からない据え置きハードの新型コントローラー2つ、KinectとPlayStatoin Move モーション コントローラー(以下PSムーブ)のお話をしたいと思います。

 

バッチリ色々遊んできましたんで、レスポンスの部分だとか、Wiiとどう違うの? みたいな話をしてみたいと思います。

PlayStation Move モーションコントローラPlay

 

 

全身を使って遊ぶ楽しさ Kinect

 

先にKinectをプレイしてみて不満に思ったことからいきましょう。ポインティングによる細かい操作はかなり慣れが必要な感じがしました。具体的に言うと、3つの選択肢から1つを選ぶ、みたいなこと、ゲームではよくありますよね。これが意外と難しい、なんて場面を何度か見かけました。

 

空中にかざした手で画面のポインターを動かして、思った通りの選択肢まで持って行き、その場でしばらく止めておくと選択、みたいな操作が多いんですが、これに手間取る場面がよく見られます。ここら辺は、今後ソフト側の工夫で大分変わるような気もしますが、本質的に、こういう操作はボタンがついていて、ポインターがついているWiiリモコン、コントローラーのスフィアの位置を正確に追尾できるPSムーブの方が得意であるように思いました。もっと言えば、そういう操作を素早く正確にストレスなく行うのは、普通のコントローラーの方が遥かに楽ですよね。やっぱり得手不得手というものがあると思うんです。

 

一方で、Kinectの醍醐味は体全身を使ったゲームです。これは僕の個人的な感想ですが、レースゲームをハンドルを持ったつもりで操作するようなタイプのものより、全身を使って右に左に飛んだりしゃがんだりするゲームの方が面白く感じました。こういうダイナミックな遊び方はWiiやPSムーブよりも俄然Kinectの方が無理なく遊べますし、文句なしに盛り上がります。

 

北米に来て、E3もそうですし、ゲームショップなんかを見たとき、すごくダンスのゲームが大きなコンテンツとして力を持っています。これは全身の動きを認識できるKinectと相性がいいことは言うまでもありません。広い部屋で何人も集まって、飛んだり、しゃがんだり、踊ったり、大笑いしながら遊ぶ姿が容易に想像できます。実際ダンスのゲームも既に登場していました。これが、キラーコンテンツとして大きな期待を集めているのかなと、思いました。

 

その意味で、非常に良く北米市場をマーケティングした商品だと感じますし、その為にコントローラーを捨てたというある意味とてもリスキーな選択をしているわけですが、それはとても面白い試みで、北米におけるXbox 360の幅を大きく広げる可能

性を秘めているでしょう。

 

 

日本でのマーケティングの難しさ

 

これはXbox 360というハードが最初から抱えてる課題であり、同時に世界規模で見た場合には強みでもあるところなんですが、北米にしっかり照準をあわせたマーケティングをしているので、どうしても日本とはミスマッチを起こしやすい状況があります。

 

Kinectは方向性がしっかりしている分、課題も明確です。

 

1つは現状のXbox 360のユーザー層とのミスマッチ。Xbox 360ユーザーは、何故Xbox 360を買っているかと言えば、ブルードラゴンやテイルズシリーズのようなRPGがやりたかったりとか、アイドルマスターシリーズやドリームクラブのようなギャルゲーがやりたかったりとか、あるいはHaloシリーズやギアーズ・オブ・ウォーシリーズのような洋ゲーがやりたいような人達なわけで、彼らが飛んだり跳ねたりしてくれるかというとかなり疑問です。そこで、セガから発表されているソニック フリーライダーズのような、ゲーマーに訴求しやすいタイトルを押し出していくのか、それとも新しい層の獲得を目指すのかというポイントが1つあります。

 

もう1つは場所の問題。Kinectのダイナミックなプレイを最大限に引き出すには、全身をカメラに入れてステップしたりすることが出来る場所でプレイすることが理想です。しかし、そういった場所を獲得するのは日本の居住空間ではなかなか難しい場合も多いかもしれません。また、現状でXbox 360ユーザーは自分の部屋にゲームを置いている状況が多いことも予想されます。Kinectを日本の住環境にどうマッチさせて提案していくか、ということがもうひとつの課題になりそうです。

 

 

繊細でゲーム的な動きに強いPSムーブ

 

PSムーブは、Kinectとは逆に、非常に繊細な動きを細やかに感知します。ただし、細やかに感知してくれるのは基本的にコントローラー部分だけということになります。それ以外の例えばユーザーが身体を動かして避けるみたいな動作はかなり大雑把な操作にしか使われていませんでした。

 

PSムーブの凄さを特に感じたのは、Sports Championsの卓球でした。ぶっちゃけて言ってしまえば、Wiiスポーツリゾートの卓球に非常に良く似ています。ただし、精度は圧倒的に上です。Wiiスポーツリゾートの卓球も大変リアリティのある作りをしていましたが、Sports Championsはそれ以上です。

 

Wiiスポーツリゾートでは、タイミングをあわせてふれば取りあえずボールに当たりますが、Sports ChampionsはPSムーブが動く空間を完全に把握してその通りに動くので、きちんと、ボールにラケットを当てる必要があります。そして、その当たり方で、ドライブがかかったり、カットがかかったりと、球筋が変化します。前陣速攻で攻めるなら実際に前にでる必要がありますし、ドライブの応酬をする時はだんだん画面から離れていきます。うまい人がやると、本物ソックリの動きになっていくのがなんとも見事です。これほどまでに繊細なトレースはWiiやKinectではなかなか難しいかもしれません。

 

 

Wiiとの差別化が課題

 

PSムーブはWiiリモコンと比較すると非常に正確で繊細な感知を可能にします。ただし、実際に繊細な動きができるということと、それがお客さんに価値として理解されることとには、隔たりがあります。そして、その隔たりを埋めるのに必要なのはやっぱりソフトが重要です。

 

どうしてもスポーツを題材にしたソフトでは、Wiiスポーツのインパクトが強すぎて似たものにうつってしまいます。やっぱりここは、PSムーブの性能をいかした、Wiiとは全く違う、Wiiにはできないゲームをキラータイトルとしてプレゼテーションする必要があるのではないでしょうか。

 

 

Xbox 360はWiiに近づけるのか?

 

日本にいるみなさんはあまり想像がつかないかもしれませんが、北米でのXbox 360の存在感は非常に大きなものです。お店でのスペースも広いですし、E3での各メーカーのブースでもそうです。その意味で、Xbox 360が北米の市場に照点を合わせた上で、Wiiの層を取りにきたことは業界の状況に変化をもたらす可能性があります。

 

大変印象的なのは、E3の会場でKinectを使ったゲームが各メーカーのブースに配置されていることです。日本のメーカーで言えば、セガや、コナミ、ハドソンもKinectのゲームをプレゼンテーションしています。

 

据え置きゲーム機の開発費が大きく日本の市場だけでコストをまかなうことが難しくなってきていること、また、北米ではいまだに携帯機よりも据え置き機が強いということもあり、日本のメーカーは据え置きゲームにおいては北米のゲーム市場をかなり強く意識しています。つまり、北米でのWiiとXbox 360の対決は、日本のゲーム業界にも大きな影響を持つ可能性があるということです。北米におけるWiiとXbox360の関係がどうなるか、注意深く観察しておく必要がありそうです。

 

 

E3を終えて

 

E3はまだあと1日ありますが、僕は朝飛行機で日本に帰ります。今回、E3でロスアンゼルスに来て、大変色んな収穫がありました。MSの北米での存在感、日本とは全く違う発想でゲームを売るゲームショップ、ニンテンドー3DSの衝撃、どれも日本にいてはなかなか知ることのできないことばかりでした。

 

どんなことでもやっぱり、実際に行ってみないと分からないことって多いですね。そのことを強く実感した旅になりました。いやあ、楽しかった!それでは、また、日本で!