スゴイ試合でしたねえ。スゴイ試合ができたと思います。これは僕自身が上手にできた、強かった、そういうことではなく、むしろ反省するべき点がたくさんあった試合でしたが、しかし、それでも、もしかすると、だからこそ、面白い試合ができました。主人公は間違いなく、あの男、メガネさんでしたね。
これは、2019年5月30日に配信された「結チャンネル人狼 #32 平成最後のお祭り人狼!視聴者全員が悪女勝利を目指す村」の解説記事です。ネタバレ全開でお送りしますので、まだ観てないという方は、アーカイブ配信後にご覧になることを強くお勧めします。というか本当に面白い試合だったので、アーカイブ配信絶体見た方がいいですね。この日の満足度アンケートは「とてもよかった 97.5%」「よかった 2.5%」で、それ以下無しでした。それこそ、リアルタイムに観て、作為に参加した人たちのドキドキは最高だったでしょうね。それぐらい、メガネさんのプレイは素晴らしく、観客を魅了するものでした。
【関連サイト】
#32 平成最後のお祭り人狼!視聴者全員が悪女勝利を目指す村 第2戦目 前編(結チャンネル)
それでは今回も、長くなってしまいますが、最後までお付き合いください。
前夜 江原に圧倒される予定の者たち
確認のためにタイムシフトを観ていたわけですが、ひどい、ひどいですよしょうこさん! 江原さんが悪女なら、きっと人狼を駆逐するだろうから、江原さんに押し負けちゃいそうな人を人狼にしましょう、だって! それで、結さん、ハイブリさん、僕の3人ですか! 朝井さんは勝っちゃいそうですか! そうですか! そういう人狼ですか! みんなもだよ! このやろう! 江原さんと人狼してみればいいんだ! 大変なんだから! 特に悪女の時の江原さん超大変なんだから! デストロイ!
さて、その江原さんが選んだ本命がメガネさん、そしてキープがスナパイさんでした。僕と朝井さんを選ぶと、人狼と占い師という悪女の必勝パターンでしたが、残念ながらEAT(※注1)からは選ばず。メガネさんは霊媒師なので、潜伏が予想されました。
ちなみに、役職がGMから告げられると、朝井さんが相当に嫌そうな顔をしてますね。朝井さんは占い師が嫌なんですね。朝井さんは自分で何度も言ってますが、最もポテンシャルが発揮されるのは村人なんです。自分の推理と役職者だから得られる情報に齟齬が起こると、朝井さんのポテンシャルがぐっと落ちる時があります。それで「占い師にしやがって~!」という顔をしてますね。僕はそのことを知っているので、この試合では朝井さんのポテンシャルを落としにかかります。
1日目 殺しあう人狼
ゲームがスタートすると、まずはてらちんさんが占い師と霊媒師の公開を提案します。悪女村は結チャンネルでかなり遊ばれているルールですから、そろそろ体験したことのある出演者が多くなって、理解が進んできていますね。占い師や霊媒師、あるいは狂人などに、悪女陣営の本命やキープが選ばれた時、それらの役職が処刑や襲撃のリスクを避けてカミングアウトしないということが起こりがちです。ゲームが進んでからこの可能性に言及しても、襲撃でいなくなったのか、悪女陣営に堕ちていいたのか、判別が難しく、村人が思考しなければいけない分岐が増えて推理が難しくなります。そこで、初日に占い師や霊媒師を全公開することで、考えなければいけない可能性を狭めていく方法です。実際、この時もメガネさんが霊媒師かつ、本命だったのでてらちんさんの提案は正しかったと言えます。しかし、事態はちょっと変な方向へ動きます。
安西さんがまず占い師としてカミングアウト、次いで、朝井さんがなな湖さんを自分の村人判定だと明かしながら、占い師としてカミングアウト。安西さんの村人判定は武中さんでした。ここで結さんから、占い師に告げられる最初の村人に、悪女は入っていないということが説明されます。
ちょっと場がどよめきましたね。このルール、参加者に伝えられていなかったのです。というのも、これは今回の2戦目から初めて適用されたルールでした。結さんが休憩の間にGMと話し合って決めたようです。本来であれば試合開始前に告げるべきだったんでしょうけど、結さんちょっとあわててルール変更を説明するタイミングを逃したようです。みんなには分からなかったかもしれませんが、実はこれはわりと大きくゲームに影響しています。それはルール変更による影響ではなく、結さんがルール変更を言うタイミングを逃したことで、あることが起こります。
ハイブリさんが、2人の占い師と占い先を確認したところで、僕が霊媒師カミングアウトします。さらに、メガネさんが霊媒師カミングアウト。僕らからすると、霊媒師がもう1人出て、占い師2人と霊媒師2人のいわゆるスタンダードな2-2進行になったということなんですが、動画を観ているみんなはさぞかしビックリしていたことでしょう。でも、もしかすると1番ビックリしていたのは江原さんかもしれません。なにしろ、メガネさんは江原さんの本命なのです。霊媒ローラーをしただけで悪女は負けてしまうので、いきなり悪女大ピンチとなります。
この状況に際し、江原さん、朝から僕のことが気になっていて、役職者か人外のどちらかだろうと思っていたが、メガネさんが霊媒師で出てきたことで、僕の方は人外だろうと思っている、ということを言います。これは、悪女が本命を擁護している図なんですね。しょうこさんも役決めをする時に言っていましたが、江原さんは相手に非があろうとなかろうと無理やりいちゃもんをつけて殺していく、というのがとても上手なプレイヤーです。
僕が本当の霊媒師であれば、確固たる理由をつけずに霊媒師の真贋を判断する江原さんの人外も疑うんですが、自分が人狼なので、江原さんが村人の推理をしている、と僕は考えてしまいました。まさかこの時は、対抗が真霊媒師であり、さらに本命で、それを悪女が擁護しているとは思いもよりません。しかしこれが江原さんの実に巧妙なところで、この後、江原さんはことあるごとにメガネさんが本物で、僕が偽物だと主張します。さしたる理由もつけずにです。あまりにあからさまなんですが、メガネさんがカミングアウトしていることが決定的な隠れ蓑になって江原メガネラインの悪女陣営を誰も疑うことができません。これが極めて厳しく狼に刺さり、人狼は悪女を見つけることが難しくなっていきます。こんなやり方もあったんですね。
この後、役職や占われた人を除いた、正体について情報の少ない、いわゆるグレーに行くか、それとも霊媒師のどちらかを処刑するかで意見が分かれます。霊媒師の処刑を強く押したのはスナパイさん。霊媒師でもグレーでも良いと言ったのがハイブリさんとめーやさん。僕とメガネさんの霊媒師2人は、どちらもグレーから、という意見でした。これは狼と本命がどちらも処刑されるのを嫌がったという図式でしたが、僕は村人視点でもグレーを詰めていった方が強いだろう、と考えていました。そもそも僕は人狼の時も人狼の都合で話を誘導することはあまりしない人です。
悪女が処刑出来たらよし、処刑できなくても狼が悪女を噛みやすくなるのでまたよし、人狼が処刑できればなおよしです。役職に手を付けると、真を処刑してしまっては元も子もなく、人狼を処刑できた場合も、人狼が追い詰められて真役職を噛みに行く可能性が高まり、悪女が襲撃からも処刑からも逃れやすくなります。ただし、ただしです。これは普通の話。今回はメガネさんが本命なのにカミングアウトしているので、真逆に考えなければいけません。村人視点でグレー処刑を提案していましたが、実は悪女に有利な展開になっていたんです。
さて、投票となります。この日の投票はなかなか面白いんですよ。
初日の会話の中で、決定的に人狼だと疑える人物はあまりいません。その中で、情報を落としていない川崎さんが怪しまれて票が入ります。川崎さん同様に、全く情報を落としていない人がもう1人いて、それに真っ先に気がついたのが、おそらく僕でした。結さんですね。結さんはゲームのルール捕捉的なことはしゃべっていますが、人狼や悪女を探す為の有効な情報を村に落としていませんでした。
結さんも僕も狼ですから、狼が狼に投票しているわけですが、トリッキーな手を使ったつもりはなく、僕は仲間であろうとも怪しい動きをしている人は基本的に処刑に追い込んでいくスタイルです。特に初日は、怪しい人に入れていきます。結さんは明らかに村に有効な情報を落とさず、かつ、ゲームのルール捕捉だけをしていて、なんとなくしゃべった印象が出ている人でした。それを僕は見逃せませんでした。「結さんなにやってるんですか、このままなら結さんを殺して僕が真を取りに行きますよ」という票を結さんに入れてるわけです。結さんはたぶん、すぐに理解したでしょう。
これは後から結さんに聞いて分かったことですが、結さんの動きが鈍かったのには理由がありました。結さんはいつもニヤニヤしているだけように見えて、その実裏ではイトキチ村で起こる全責任を負って仕切っている人です。何かトラブルがあると、そのことで頭がいっぱいになります。今回は、2試合目から急きょルールの変更を行ったにもかかわらず、そのルールの説明をするタイミングが遅れてるわけです。それで結さんはそっちの方に半分頭が持ってかれてるんですね。それで有効な情報は落とせず、しかし、ルール変更で放送がおかしくならないように捕捉を一生懸命入れていました。ルール変更をしたことによって結さんのプレイに支障がでてしまい、そこに反応した僕が票を入れた、という図式なんですね。
もちろん僕には僕なりの勝算があって、これで結さんを処刑した場合、メガネさんが霊媒結果で結さんが狼であることを知り、狼に真っ先に投票した僕が狼でないことを、メガネさん自身が証明することになります。処刑できなくても、僕と結さんのラインはかなり強めに切ることができます。結さんもおそらく察してくれたんでしょう、僕に票を入れ返します。これで僕と結さんが正面から切りあって、助かった方が最後まで生き残るんだ、という表明をお互いにしたわけです。この時点で狼側は票で会話し、作戦を決めていました。
さらにハイブリさんがローラー前提でといって僕に投票します。ハイブリさんは僕とのラインを切りつつ、結さんを救い、さらにローラーで真霊媒師を殺す算段です。僕は、ハイブリさんも僕と結さんの票を見て、作戦を理解してくれたと思いました。ちなみに、安西さんはハイブリさんに入れましたね。おそらく、僕を人狼と判断して、僕に入れたハイブリさんにいれたんじゃないでしょうか。これでめでたく、人狼陣営は全員全力で仲間を殺しに行く逆連携作戦に出たことになります。
江原さんはこの日、結さんに入れてます。江原さんは僕が人外だと主張しながら、ここにきて急に悪女を処刑したいと言い出しましたね。現場では気がついていないんですが、江原さんのこのプレイは、2つの理由で怪しいですね。江原さんのいつものプレイなら、僕が人外だと思っているなら、まず間違いなく多少強引にでも僕を処刑しに来ているはずです。しかし、それをするとメガネさんがローラーに巻き込まれて危うくなるので回避するために僕に投票していない、これがおかしい点の1つ目。もう1つは、じゃあ、誰に投票するかとなった時に、悪女を探しているとはいえ、人外だと推理している僕が投票した結さんに迷いなく投票するのは、やはりおかしいですね。この2点から、江原さんは、メガネさんを守るために変なところに投票している何か、なんですが、この時は気がつきません。
最終的に、僕と結さんが同票で決選投票となります。どちらが処刑されても、メガネさんが残った方を人狼ではない、と証言するはずなので、そこを使って勝ちに行く、このタイミングではそう考えていました。動画では狼ピンチに見えたかもしれませんが、僕はある程度計算して勝ち筋のある動きをしているので、ピンチとは思っていませんでした。狼1人と引き換えに間違った情報を村に流す算段です。ですが、ここから人狼陣営は大変に追い込まれます。
2日目 メガネは罠に屈しない
襲撃を受けたのはなな湖さんでした。占い結果は、朝井さんが川崎さんを村人、安西さんがめーやさんを村人と判定。霊媒結果は、処刑された結さんに対し、メガネさんが狼判定、僕が村人判定です。
メガネさんは前日、僕のことを人狼だと推理していました。人狼側のシナリオとしては、メガネさんの視点では、僕と結さんが票を入れあっていることから、僕が狂人となり、占い師の中に人狼がいる、と意見を修正してくるはずでした。このことに気がついて、武中さんが、メガネさん視点で田下さんがほぼ狂人ですよねと、問いかけます。しかしメガネさんは意見を一切修正しませんでした。昨日の結さんの弁明の切れのなさから人狼は間違いなく、結さんがローラーをしている場合ではない、と言ったことから、僕と結さんが人狼同士で僕を守ろうとしている、という意見を非常に強く訴えかけます。
これ自体は実は間違っていて、結さんは僕を人狼と主張して、ローラーをしている場合ではないと言ったわけですから、これは論理的にはメガネさんを守った発言になります。僕と結さんはそもそも徹底的に切りあわないと意味が無い作戦をしているので、仲間を庇う理由が実はありません。
しかし、僕は震えていました。なんじゃこいつと思っていました。ハイブリさんもそう思っていたかもしれません。人狼側は、メガネさんに大変な恐怖を感じていました。
なにしろ、メガネさんに迷いが無さすぎるのです。自分の推理と霊媒結果とが論理的に食い違っているのですから、普通は迷います。しかし、この人は全く迷わず僕を人狼だと言い切ります。そのはっきりと言い切る言葉の強さが、そのまま彼の強さになります。
結さんを処刑することでこちらの有利な環境を作ったはずなのに、確実に罠にはめたはずなのに、全然ゆるぎません。メガネさんのまっすぐな推理に心がおされていきます。なんで! そんなはずないのに! まるでドラゴンボールの悟空かワンピースのルフィでも相手にしている敵役の気分です。何この人、主役補正でもついてんの?
このタイミングで、僕は大変なピンチを感じました。これでメガネさんが真を取り切って僕があっさり処刑されたりすると、事態は大変にややこしいことになります。メガネさんを信用した場合、結さんが人狼、そして僕も人狼、2狼処刑できて、村人は、役職者を除いた中から人狼を避けて悪女を処刑しなければいけません。そうした場合、1日目に僕とラインを切っているハイブリさんは実に危険な位置に行くことになるのです。もっとも、メガネさんは非常にタフで人狼が仕掛けた罠が全く通用した様子がありませんでしたが、村人全員に通用しなかったかというと、そうでもなかったようです。
まず、狂人安西さんが素晴らしいアシストをします。自分はメガネさんを真だと思っていると発言します。これに応えてメガネさんは、自分も安西さんが真だと思っているとつぶやきます。このやり取りに、強く反応したのが朝井さんでした。このことはこの日の最後に強く響きます。また、安西さんはメガネさんを真だとしながらも、僕を処刑にはさせないように、それとなく促します。さすが安西さん、男前です。
議論はスナパイさんがリードしていきます。朝井さんの村人判定であるなな湖さんが噛まれたことから、狼はグレーの人数を減らしたくなかったと予想し、昨日時点で占われていないグレーの中にいるはずだ、として、グレーの処刑を進めようとします。
スナパイさんは、僕の視点からグレーに人狼が2人いるはずだから、グレー処刑に応じられるはずだ、と詰め寄られますが、それを僕は承諾できません。これは人狼として都合が悪いからというより、真霊媒師だった場合の振舞いとして、難しいということですね。1日目同様、僕は基本的に、それが狼の勝ち目を潰すような場合でない限り、狼の都合で話を誘導しません。
スナパイさんの説明、非常にきれいなんですが、実はそれほど情報を出していません。スナパイさんの説明で除かれた人は初日に安西さんから村人判定をもらっている武中さんだけなんですね。僕の視点からみて、スナパイさん、ハイブリさん、てらちんさん、江原さん、原さん、そしてめーやさんと川崎さんの中に人狼が2人いるという選択肢は確率的に特別有利ではないです。そして、処刑された結さんが村人だったと主張している以上、簡単にグレーの処刑に乗るわけにはいきませんでした。
スナパイさんからすると、自分がある程度信用を得られている状態で、グレーを処刑しましょうという流れを作ることは、狼を追い詰めつつ、恋敵を処刑絞り込んでいく作業も兼ねて一石二鳥の手です。スナパイさんは、江原さんがグレーの中で誰に投票するかも、重要な情報だと考えていたはずです。
スナパイさんはさらに処刑対象を狭める方法として、朝井さんに村人判定を受けている川崎さんと、安西さんに村人判定を受けているめーやさんを、それぞれ交換して占い、処刑対象からはずすことを提案。これについては村人がおおむね了承します。この2人は霊媒ローラーを進めようとしていた人物で、悪女陣営の可能性が高いと考えられます。どちらかから人狼が出れば大きな手掛かりとなります、確定の村人が2人できても、それはそれで村に有利です。
メガネさんはというと、安西さんを真占い師だとしたうえで、スナパイさんと安西さんと票を合わせてグレーを処刑したいと言います。武中さんがメガネさんに怪しい人を絞って欲しいと言ったことから、メガネさんは原さんかハイブリさんが怪しいと挙げます。江原さんが原さんならのめると言って、メガネさんそこに賛成し、原さんに投票すると宣言しました。メガネさんからすると、霊媒ローラーなんて絶対にしたくないはずですし、それこそ役職に恋敵がいるはずがないので、グレー一択です。もしグレーが少なくなることで恋敵が襲撃され、江原さんが一緒に飛べばそこから村人モードですし、人狼を処刑できた場合は、村人を処刑したと偽って、僕を処刑に持ち込めば悪女勝利を目指せます。
しかし、投票となると、議論の流れほどには、スナパイさんの提案通りとはいきませんでした。まず武中さんがメガネさんに入れます。武中さんは、メガネさんの言う通りだとすると、1日目人狼は何をやってたんだ、と言ってメガネさんを狂人と推理します。僕はほっとしました。武中さんには人狼の罠が効いていた模様です。しかしこれは、最もノーマルな推理なはずです。メガネさんの説明の通りだと人狼同士が滅茶苦茶に切りあっていることになってしまいますから、それに疑問を持つのは当然のことです。もちろん、実際に滅茶苦茶に切りあっているわけですが。
次いで、朝井さんも、メガネさんに投票します。朝井さんは、普段メガネさんと対戦している経験から、自分が真であるのにメガネさんがそれに気がつかないのは偽物だ、と思ったようです。しかも朝井さんからすると、安西さんがメガネさんを信用していると言い、それにメガネさんが応えたのが相当ひっかかっているんですね。何しろ朝井さんからみれば、狂人が結さんに偽の狼判定を出し、それに気がついた人狼占い師の安西さんが協力体制を作りに行ったようにしか見えないのです。
この流れの中で、僕は霊媒師としての振舞いからも、そして人狼陣営としても、対抗であるメガネさんに投票しない理由が一切なくなったのでメガネさんに投票。さらにメガネさんから標的にされ、票を集められている原さんが、結さんと僕が人狼だった場合に、カミングアウトしている僕を残して結さんが自滅していくのが不自然だとして、メガネさんに投票します。
めーやさんとてらちんさんは原さんとメガネさんの白黒に迷いハイブリさんに投票。メガネさんは本物のように見えるものの、状況証拠的には人狼が仲間を斬ることでメガネさんの推理に矛盾をもたらしているので、そこで迷った末、という票ですね。
メガネさん、江原さん、安西さん、スナパイさんは事前に議論通り原さんに投票。ハイブリさんはというと、原さんに投票。原さんに投票すると、自分のいるグレー位置は狭められるものの、悪女位置を探しつつ、霊媒ローラーを避け、またメガネさんに投票しないということで僕とのラインも切りやすくなる、ということで良い手だと思います。
川崎さんはメガネさんに投票し、メガネさんと原さんが5票対5票となって決選投票が行われます。決選投票は、本投票時にメガネさんにも原さんにも入れなかっためーやさんがメガネさんに、そしててらちんさんが原さんに投票することで真っ二つに分かれ、ランダムとなり、運命の人狼カードをひいてしまった原さんが処刑されました。
この日はメガネさんを処刑できる千載一遇にして唯一のチャンスでした。メガネさんにこそ罠は通用しませんでしたが、村人の心にはチクリと刺さって判断を鈍らせることに成功していました。この後、メガネさんを処刑出来る気配は全く持って無くなってしまいます。
3日目 川崎さんを処刑するとどうなるのか
襲撃されたのはめーやさんでした。悪女探しながら確白を潰す動きですね。昨日処刑された原さんは僕も、メガネさんも村人判定。占い先を交換した結果は、朝井さんがめーやさんに村人判定、安西さんが川崎さんに狼判定。
朝井さんはこの結果に不服そうにし、スナパイさんを疑い始めます。昨日スナパイさんの提案に異論を唱えた人はいなかったんですが、結果的に、占い先を交換した結果、確定村人のめーやさんが襲撃されて、朝井さんの占いが1回分無駄になった形です。村人からすると、安西さんが本物だった場合に人狼が1人見つかっているんですが、朝井さんからすると、自分の占いが潰された上に、偽占い師が村人に人狼判定を出す機会を与えているように感じられ、その動きを誘導しているスナパイさんが怪しいという理屈になります。
川崎さんが説明していますが、安西さんが狂人だった場合に、対抗、つまり真占い師が村人と判定した先に狼判定を出せば、間違って仲間である狼を処刑しなくて済むわけです。これは狂人にとってはとても安心して狼判定が出しやすい先です。スナパイさんは人狼ではないのでこれを狙っているわけではありませんが、安西さんは実際狂人なので、川崎さんの説明の通りなんですね。
朝井さんがスナパイさんを疑っているものの、この日の処刑は、スナパイさんは候補に入りません。僕の視点では村人を2人処刑していることになっているので、今日は必ず人狼陣営を処刑できなければ負ける、と訴えます。
この日処刑するべき対象は、川崎さんか、逆に川崎さんを狼だと言っている安西さん。あるいは、霊媒師であるメガネさんか、僕のどちらか。役職者として朝井さんもいますが、朝井さんを処刑する場合は先に川崎さんが処刑されるので、朝井さんの処刑は難しいでしょう。
この日の投票は、安西さん、メガネさん、川崎さんが決選投票になります。
人狼からすると、この中では川崎さんは村人なので処刑してもよさそうなものです。安西さんは人狼の味方の狂人。メガネさんを処刑すると、翌日以降、僕にも手が伸びる可能性が高くなります。
しかし、僕は川崎さんを処刑するとまずいなと考えていました。冒頭お話した通り、朝井さんは村人の時最強になる人です。占い師の時は、自分の見た結果や、立場から、推理がぶれることがあります。この日がまさにその頂点で、人狼の襲撃先からスナパイさんを疑い、また、対抗占い師の安西さんを信じていることからメガネさんを疑っています。朝井さんのポテンシャルを奪うことに成功した状態です。しかし、川崎さんを処刑して、翌日メガネさんが村人判定、僕が狼判定を出せば、朝井さんは全てを理解してしまうでしょう。そうなればおそらく手がつけられません。
しかし、投票は安西さんを真と見て川崎さん処刑派に対して、安西さんメガネさんラインを疑う派が、安西さん処刑派とメガネさん処刑派に分かれたため、川崎さんが処刑されてしまいました。
4日目 朝井覚醒
襲撃されたのは武中さんでした。占い結果は、朝井さんがハイブリさんに狼判定。昨日処刑された川崎さんは僕も、メガネさんも村人判定。これでおおむね安西さんが破綻します。
この日の僕の判定には疑問を持つ人が多いでしょうね。僕の中ではリスクの高いことは承知で、でも、ついうっかりではなく、意図的にやったことです。苦渋の選択と言ってもいいかもしれません。普通であれば安西さんを守って僕は川崎さんに狼判定を出すべきなんでしょうけど、その場合は、朝井さんが一気に理解を進めることが明らかでした。僕は何度か結チャンネルで朝井さんについて言及していますが、朝井さんは勘が鋭く、かつ論理的思考の効く、非常に強いプレイヤーです。そのポテンシャルを、ここまでうまく抑え込んできていました。前夜、朝井さんは占い師に選ばれたことでメチャクチャ怒ってましたが、実際に朝井さんは占い師の呪縛によって推理がぶれていました。
しかしもし僕が川崎さんに狼判定を出すと、朝井さん頭はこれ以上ないくらいはっきりクリアになります。その場合、1日のうちに朝井さんに圧殺されて終わるだろうということを強く想像していました。であれば、この日安西さんに破綻してもらうことで、朝井さんとの関係に1日猶予を持たせたうえで、安西さんを処刑し、夜に朝井さんを噛む方がまだ勝ち目がある、というのが僕の判断です。
しかし甘かった。僕は朝井さんのことを現場にいる人の中ではかなり理解している方だと思っていましたが、全然でした。ぜんっぜん甘かった。メガネさんが川崎さんに村人判定を出したところで、朝井さんは覚醒してしまっていて、昨日までの意見をひるがえしてあっさりとメガネさんを真霊媒師に置きました。しかも、占い先がハイブリさんですから始末におえません。朝井さんが正気に戻るのに、僕とのラインが完全に切れる必要がなく、メガネさんとのラインがつながるだけで十分だった、ということなんですね。リスクは容赦なく降り注ぎ、そのリターンは毛ほどもありませんでした。
さて、盤面は非常に複雑です。整理しましょう。村人は8人生き残っています。
まず、メガネさんが真霊媒師だった時の視点。これが正しい村人の視点です。メガネさんの視点では人狼が1人処刑されていて、人狼陣営残り3人、悪女陣営(悪女と本命)が2人残っています。もしハイブリさんを処刑して悪女陣営だった場合翌日は、村人5人、人狼陣営2人、そのうちわけは僕と安西さんで、これで村人はほぼ勝ちです。ただし、ハイブリさんが悪女陣営でなかった場合は、翌日6人に対して人狼陣営2人。悪女を処刑した上に村人が噛まれると、最終日村人3人で人狼陣営2人になるため、自力勝利がなくなります。実際、ハイブリさんは悪女陣営ではないので、村人は正しい道を選んだとしてもピンチです。
僕が真霊媒師だった場合。人狼が処刑されてなく、村人8人に対し、人狼陣営4人で、票を完全に分けてパワープレイに持ち込めるタイミングですが、悪女陣営が残っているため人狼陣営はパワープレイに持ち込めない、というのが理屈です。また、結チャンネルでは、決選投票で票が半分に分かれた場合、ランダムとなるため、人狼陣営はそこで賭けをしなければいけなくなるので、やはり簡単にはパワープレイはされません。この場合、ハイブリさんを処刑して、人狼かつ悪女陣営だった場合、翌日村人5人に対し、人狼陣営3人となって、今度こそパワープレイが起きます。なので悪女を処刑したら負ける、というのが僕の主張になります。この日の時点で、村人の自力勝利が消えています。
安西さんが真占い師だった場合は、朝井さんと僕とメガネさんが人狼陣営で、川崎さんが人狼として処刑されています。霊媒師が悪女側に堕ちていた、という筋書きですね。安西さんが真占い師の場合は、悪女陣営の本命が人狼ということが望めないので、村人が悪女を処刑する手が足りずやはり自力勝利が無くなります。
上記は複雑すぎて、全て把握していた人があんまりいません。メガネさんを真にした時、悪女ケアを含めたハイブリさん処刑に可能性が感じられます。僕か安西さんが真とするなら、ハイブリさんを処刑するのは村にとってかなりリスクの高い手です。また、江原さんが安西さんに安定進行はだれかと尋ね、安西さんが朝井さんだというと、朝井さんが狂人ということがあり得ないかと切り返していましたが、安西さんの視点から、この日は、狂人を処刑しても人狼を処刑してもあまり変わりません。これは、答えの存在しない質問をして、安西さんの真を切りに行く江原さんのやり口です。
正確なことを言っていたのは、メガネさんです。この日は決め打ちで、誰が真か決めて処刑するしかないですね。
てらちんさんは、ハイブリさんとスナパイさんの悪女陣営を狙ってハイブリさんに投票。この場合、メガネさんが真であると決め撃つことになります。実際てらちんさんは後から、ずっとメガネさんが真だと思ったと証言していますね。
僕は安西さんに投票。僕からすると、ハイブリさんは人狼確定ですが、ハイブリさんが悪女に落ちていると村が負けてしまう、という理屈なので、朝井さんから見ても確実に人外である安西さん投票を促します。
安西さんは僕に投票。朝井さんと僕の投票先がほぼ同じことを理由にしています。安西さんは、徹底的に僕との関係を斬りに行っています。朝井さんはメガネさんを真と見ていますが、わずかな希望をかけて僕とのラインを丁寧に切る形にしています。
朝井さんは僕の話をきいたものの、カウントができていませんでした。ただし、結さんを人狼と判断して、3人狼は残っていないと信じてハイブリさんに投票します。これはつまり、僕の真を切ったということです。
江原さんは、僕の投票に対して反論して、悪女ケアをする日だからハイブリさんに投票するべきだと言います。これは間違い、あるいは嘘の類ですね。少なくとも僕にする反論ではないです。僕の視点では悪女ケアをしたら負けてしまいます。江原さんがするべきは、僕の真を切るという議論だったはずです。
最後スナパイさんが投票します。スナパイさんは江原さんがハイブリさんに入れるかを見ているはずです。ここであっさりとハイブリさんに入れたことで、スナパイさんの恋敵は、もう死んでいるか、さもなければてらちんということになります。そこでスナパイさんは狼に、ハイブリさんはたぶん悪女じゃないよ、てらちんを噛むといいよ、と誘導します。これちょっと変なんですけどね。スナパイさんからすると、ハイブリさんが悪女じゃなければ、てらちんさんと江原さんでほぼほぼ決まりです。しかしわざわざてらちんさんの方を指定するのは、江原さんと繋がっている悪女陣営だということが透けています。もっとも、この時の僕は気がついていません。
僕と安西さん、ハイブリさん本人を除いて、ハイブリさんに票が集まったため、ハイブリさんが処刑となります。ハイブリさんに入れていないのがカミングアウトしている僕と安西さんだけであることから考えて、ハイブリさんが悪女陣営である可能性は極めて低いですね。
5日目 人狼を殺しちゃいけないふりして人狼を殺したい
襲撃されたのは朝井さんでした。もちろん僕が襲撃しています。この日朝井さんを生かしておくと、僕が人狼だと占われて終わるのは目に見えていたので、悪女を探している場合ではありません。霊媒結果は僕もメガネさんもハイブリさんに狼判定。
この日の議論は「人狼に投票しないこと」です。メガネさんを真とした時、ラストウルフに投票せず、狂人に投票し、人狼が悪女陣営を噛んでくれることに期待するのが村人の勝ち筋です。ハイブリさんが悪女陣営出なかった時点で、基本的には村人の自力勝利が無くなります。
これについて、江原さんとメガネさんが議論を交わします。僕が人狼か、安西さんが人狼か。メガネさんは安西さんを人狼だと言い、江原さんは僕を人狼だとしました。しかしこれは、表で言っていることと、裏で言っていることが逆ですね。江原さんとメガネさんは、むしろ人狼を処刑して今日勝負を決めたいので、人狼だと言っている人が狂人だと思っている人で、狂人だと思っている人が人狼だと思っている人です。
ここで安西さんが、ラストウルフカミングアウトをします。自分が人狼だから、悪女ケアをしよう、というんですね。これは本当に悪女ケアをするつもりではなく、村人を混乱させて吊られに行ったんだと思います。僕もラストウルフカミングアウトをするべきという意見もありそうですが、僕はここでラストウルフカミングアウトはできないと思っていました。
僕はこの時ほぼ負けだと思っていましたが、最後まで勝ちを考えるんだとしたら何があるのか、と残された時間に考えていました。僕の霊媒師視点では村に人外が3人残っています。霊媒師として破綻せずに最終日を迎えるには、これを2人同時に片付けなければいけません。となると、今日は安西さんを処刑して、なおかつ悪女を襲撃し、いなくなった悪女陣営の1人に人狼を押し付けて、最後メガネさんと対決、というのがわずかに可能性があります。その為に僕は、ここで自分が真霊媒師である可能性を捨ててはいけません、なのでラストウルフカミングアウトもできない、ということになります。
もちろん贅沢を言えば、安西さんではなくメガネさんを処刑がベストです。その場合悪女を襲えれば最後はパワープレイになります。しかしここにきてメガネさん処刑は、本当に難しくなってしまいました。
これを村側の論理に変換するのであれば、僕はメガネさんを狂人、安西さんを人狼と見ているので、グレーの中に紛れている人狼を本命だと期待し、メガネさんを処刑し、安西さんが悪女を襲撃先に指定するも、本命の人狼が嫌がり、もめた結果ランダムとなって、最終的に悪女襲撃されれば、本命の人狼が朝一緒に退場する、というのが正しい説明です。しかしこれをきちんと説明すると、僕はメガネさんに投票しなければいけなくなります。しかし村はメガネさん処刑をのまず、その場合僕が処刑される確率が非常に高くなるでしょう。
そもそも僕が真霊媒師の可能性を追ってもらえているのであれば、前の日にみんなハイブリさんに簡単に投票はできないのです。であれば、やはり僕と安西さんとどっちが人狼か煙に巻く方が、可能性があるでしょう。というわけで、勝ち筋が見つからないと言って、安西さんに投票します。
安西さんは僕に投票。ラストウルフカミングアウトをしているので、僕とは仲間じゃないですよ、という動きをします。安西さんは僕が最後真を取って勝ちに行くわずかな可能性にかけていたのを、分かっていたんじゃないかと思います。今回本当に見事な狂人で、まるで普通に会話をしているかのように、こちらのして欲しいことをしてくれていました。
メガネさんは僕に投票。面白いですね、あれだけ僕が人狼だと主張していたのに、ここでコロッと反対のことをしています。この動きにメガネさんの悪女陣営が透けてるんですけど、さすがに想像もしませんでした。
スナパイさんは僕に投票、てらちんさんは安西さんに投票。
江原さんは安西さんに投票。僕の動きを偽物であると知って最初から見た時、人狼の結さんに投票し、人間の川崎さんに投票せず、川崎さんを白確定させて安西さんを破綻させる動きをしているんですね。なので、論理的に判断して、僕を狂人と置いたんじゃないでしょうか。安西さんが人狼カミングアウトをすることで逆に狂人のように見せている人狼だった、という複雑なプレイをしている可能性は、十分にあります。
同票となって、決選投票。安西さんは人狼カミングアウトから狂人カミングアウトにシフト。僕はあくまで真霊媒師の体で、勝ち筋が見つからないことを説明します。決選投票の結果は、安西さんの処刑となりました。
最終日 あきらめなくてよかった
襲撃にあったのは、江原さんとメガネさんでした。唖然とするというのは、こういうことを言うんでしょうね。本命が霊媒師でカミングアウトしているなんて夢にも思いませんでした。ものすごくビックリしましたが、これで勝機があるとはっきり感じました。文字通り、息を吹き返したというやつです。あの手ごわい、どうしても処刑に追い込めないメガネさんが、いなくなったのです。2日目から感じていた重圧のようなものがスッと消えて、あきらかに体が軽くなるのを感じました。
襲撃先は江原さんでした。これには理由が2つあります。正直に書くと、江原さんが悪女で、僕が悪女を外して襲撃して負けた時に、江原さんがそれはもう高い高い位置から見下ろしてくるイメージがわいてきて、どうしても嫌だった…というのは全くないとは言えません。
でもそれだけが理由ではありません。もう1つ、もっと単純で分かりやすい理由があります。江原さんが初日から一貫して僕を偽物、メガネさんを本物として譲らなかったからです。もし運よく悪女を襲撃できたとして、江原さんと、メガネさんと、僕で最終日を迎えてしまったら、これだけ頑なにメガネさんを真においている江原さんに決定票を任せるのは、どう考えても勝てそうもありません。
メガネさんが悪女陣営でありながら霊媒師カミングアウトをしたことで、悪女陣営は窮地に追い込まれたように思われましたが、本命がカミングアウトすることで、江原さんは悪女のラインを疑われる心配をすることなく堂々と庇い続け、そして、庇い続けた結果、人狼に襲撃される大きな理由を得たのです。ほとんどのプレイヤーが気がつかないところで、メリットとデメリットの輪がきれいに回転していたんですね。
ここでスナパイさんがミスをします。てらちんさんへの説明を間違えるんですね。スナパイさんは、メガネさんが人狼で江原さんを噛むことがあり得ないので、僕の目線では狼がいない状態になっている、と説明します。
これにはすぐに反応できました。なにしろ、前の日必死に頭をひねって考えていた勝ち筋です。しかも、メガネさんが死んだことで、それまでの自分の説を曲げずに説明がつきます。ハイブリさん人狼、安西さん人狼、メガネさん狂人で、ラストウルフがスナパイさんかてらちんさんで、江原さんを襲撃したら狂人のメガネさんが道連れになったという形です。
投票時、誰も動かない中で、僕から投票します。僕から投票した場合、おそらく投票した先と対立して、その人との対決になります。ですから、僕の投票はそのまま誰と勝負するか、という話になるはずです。僕の意見をてらちんさんにぶつけるか、スナパイさんにぶつけるか。僕がより素直に相手を人狼としてぶつけることができるのは、スナパイさんだと考えました。スナパイさんは場をコントロールしてきてた人です。場をコントロールし続けることにはリスクがあります。正しいことをしていても、最終日にまでもつれこんでみると、ぬぐえない不信感というものが少しずつたまってきているものです。僕は、スナパイさんが「田下さんが本物の場合は人狼が残っていない」という間違った説明をしてしまったことにつけこんで、その不信感をあおることにしました。僕の推理に破綻が無いことを説明したうえで、スナパイさんは嘘をついた、勝つためにうまく言いくるめようとしていたと、強調します。
対してスナパイさんです。スナパイさんは自分から先に投票する気がありませんでした。僕は、スナパイさんは何か奥の手を持っているような気がしていましたが、まさしく奥の手がありました。それが、キープカミングアウトでした。スナパイさんの論理はこうです。3日目にハイブリさんを処刑した時、ハイブリさんは悪女陣営じゃないと言って、てらちんさんを噛むよう人狼に指示をしたことを挙げて、自分が人狼だったらてらちんさんを噛むようわざわざ言う必要がないから、すなわち自分は人狼ではないと主張します。
てらちんさんはだいぶ迷っていました。その迷うポイントはいくつかあったんじゃないかと思います。まず、僕が本物の霊媒師だとすると、様子のおかしかった結さんの正体はなんなのか。てらちんさんは、1つの解答として、結さんがキープだった場合を考えていたようです。もし、結さんがキープだった場合、スナパイさんは嘘をついていることになります。
また、スナパイさんの説明におかしなところはありませんでしたが、それをそのまま信じてよいのか、という話はつきまといます。確かに、人狼なのに人狼に噛み位置を指示するのは不自然かもしれません。しかし、人狼として不自然に見えるふるまいを、人狼だからこそわざとやっている可能性があります。僕は、そういう可能性、疑心暗鬼のようなものが、てらちんさんの中で育つように、スナパイさんの小さなミスを取り立てて騒いだつもりです。
もちろん、僕の方もそのまま信じていたわけではないでしょう。もともとてらちんさんはメガネさんの方を真霊媒師だと思っていたのです。しかし、改めて僕の動きをおさらいしても、おかしなところは出るはずがありません。なぜなら、そもそも僕は基本的に狼有利に誘導してはいないのです。
僕はスナパイさんを説得するのであれば、最終的に論理の勝負になると思いました。そして、てらちんさんを説得するのであれば、感情の勝負になると思いました。ギリギリのところで、てらちんさんにほんの少し多めの不信感を抱かせて、投票はスナパイさんになりました。
まさかの、まさかの人狼陣営勝利でした。
試合には辛くも勝利しましたが、メガネさんには圧倒されっぱなしでした。結さんを処刑してまで作った人狼の罠に、一切かかることなく、僕が人狼であることを一貫して主張し続け、占い師の信頼を得て、人狼からするとどうにもこうにも処刑できず、かといって結さんを処刑した上に僕が霊媒師を騙っているのでは襲撃することもできず、そのまっすぐな発言にどんどん圧倒されていくばかりでした。最後まで、霊媒師をカミングアウトしながら、処刑されることも、自身が襲撃されることもありませんでした。お見事としか言いようがありません。
仲間を次々と犠牲にし、安西さんに助けられ、僕ができたのはせいぜいあきらめないことぐらいでした。しかしそれでも、まさかの本命の霊媒師カミングアウトで戦い抜いたメガネさんが退場していく、あの瞬間に立ち会えたわけですから、あきらめなくてよかったですね。