2013年

5月

16日

育休3年の前に、今より半年だけ伸ばして欲しい

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先日、女性手帳についてちょっと書きましたけど、今度は育児休暇についてです。「3年間抱っこし放題」ということで、育休を3年に伸ばそうという話があるそうです。


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既に散々批判がでてまして、育休を3年にしたら企業が女性を採用しにくくなるとか、それより先に育休の取得率を改善するべきだろうとか、男がもっと育休を取れるようにしなくちゃとか。


たくさんの人が語りつくしていますので、そういった批判についてはここでは取り上げません。で、僕がここで言いたいのは、今の育休の仕組みに欠陥があるよ、ということです。昨年生まれたうちの娘が4月から保育園に入りまして、同時に奥さんの育休が終わって会社に復帰したわけですが、その途端に、我が家は大変なことになっております。


なんとかかんとかやってはいますが「なんだこれ、全然ダメかもしれん」と心が折れかけたことが何度かありました。この1ヶ月半の間に。保育園に入った途端にですよ。保育園に入るのが難しくて、入れたんなら大丈夫なはずじゃないの? と思うかもしれませんが、そんなことはありません。そこに育休の罠があるんです。

 


保育園に通いだすとほぼ同時に、育休は切れる


育児休暇というのは、基本的に1年間とることができます。保育園に入園できない場合など、やむえない事情の時は1年半とることもできるようです。ただし、保育園に入れた場合、会社に復帰しなくてはいけないことになっています。


つまり、昼間に赤ちゃんの面倒を見なくて良くなったんだから仕事をしなさいと、そのための保育制度ですよと、こういうわけです。一見問題ないように思えます。


大体は、1週間程度慣らし保育というのがありまして、短い時間だけ預かってもらって、その時間をだんだん伸ばしていくというの慣らし期間を経て、入園1週間後ぐらいから仕事に復帰します。

 


会社に復帰すると同時に、休まなくてはいけない状況


慣らし保育が終わって、奥さんが会社に復帰するじゃないですか、それと同時に起こることがあります。子どもが風邪をひくんです。偶然じゃないですよ。それまで家のなかでは、育児書に従って、出来る限り赤ちゃんが菌に触れないように生活しているんです。


人混みへのお出掛けは避けますし、ズボラな僕でもうがい手洗いをかかしません。もちろん哺乳瓶は消毒して使ってます。


でもそれが、保育園に行って集団生活を始めると、どうしたって色んな子が色んな菌を持ち寄ります。もちろん保育園だってうがい手洗い殺菌には超気を使ってもらってますよ。でも、集団生活を始めたらそんなことじゃどうしようもないんです。


結果、あっという間に風邪をひきます。保育園によってきまりが違うかもしれませんが、うちの娘が行っているところは、体温が37.5度を越えたら預かってもらうことができません。

 

37.5って大人だとボチボチな熱に思うかもしれませんが、赤ちゃんは平熱が高いので、たいしたことのない熱です。でも、それこそ集団生活における予防という意味も考え、やっぱり預けてはいけないことになっています。

 


すごい勢いで奥さんの有給が減っていく


うちに起きたできごとをお話します。

 

慣らし保育を含め、最初の2週間は順調に進みました。奥さんも仕事に復帰しやれやれと思った矢先です、4月12日金曜、娘が熱を出しました。僕はどうしても動かせない仕事がありまして、奥さんに有給をとってもらいます。小児科に行くと、インフルエンザは大丈夫そうで、ただの風邪だろうとのこと。


土曜日曜とお家で過ごしますが、月曜日もまだ下がりきらずにまた保育園をお休み、奥さん金曜に続いて有給をとってもらいます。有給2日目。火曜日の16日、やっと熱が下がったので保育園に行き始めます。これでよかったよかったと、その時は思いました。


しかし、19日の金曜日にはまた熱を出します。奥さん有給3日目。


土曜、日曜とお家で過ごしますが熱は下がらず、むしろグングンあがります。22日月曜、奥さん有給4日目です。小児科にもう一度いきますが、やっぱりインフルエンザではない模様。大丈夫だとは思うけれど、万が一厄介な病気だといけないのでということで、大きな病院に行って検査してもらいます。検査には滅法時間がかかりましたが、取り敢えず変な病気にはかかってなさそうとのこと。


ここら辺で「あ、このまま奥さんが有給を取ってるとヤバイかも」と考えます。だって復帰してからあまりに早く有給を消化しすぎてますからね。こんなペースじゃあっという間に無くなってしまいます。有給云々以前に、こんなペースで会社を休んでいたら、奥さんの仕事のスケジュールもグチャグチャです。で、奥さんの有給、あるいは欠勤というのは切り札としてある程度大事にとっておくようにした方がいいのかも、と考えました。


翌23日火曜日、相変わらず熱が下る気配はありません。奥さんを会社に送り出して僕が仕事を休みます。休む、と言っても本当に休めるわけではなく、僕はライターをしていてその日は記事を書かなければいけなかったので、夜中に気合でやることにしたんです。もちろん、こんなやり方は長くは続きません。車で1時間程の場所に住んでいる僕の実家に連絡をとります。


24日水曜日、実家で赤ちゃんを見てもらうことにしました。僕の母だって予定があったでしょうし、いきなり預かってと言われてもむこうも不安がってるんですが、もう押し切るしかないですよね。頭を下げてなんとか頼むと、赤ちゃんのことだからしょうがないよね、ということで引き受けてくれました。


朝9時に車で迎えに来てもらって、1時間かけて実家へ。僕は赤ちゃんを届けて、お世話についてひと通りの説明をしてから打ち合わせのため外出。夕方奥さんと実家で待ち合わせて、赤ちゃんをひきとって帰ってきます。木曜日も熱が下がらないので、同じく実家で見てもらいます。実家に寄るとそれだけで往復2時間余計にかかるのでヘロヘロです。


26日金曜日、僕の実家が前々からの予定でどうしても赤ちゃんを預かれないということで、山梨にいる義母に出てきてもらいました。金曜にはほとんど熱も下がっていましたが、ぶり返しを警戒して、保育園はお休みにしたのです。土日はほぼ、熱も下がっていました。今度こそ一安心です。

 


心が折れる音がする

 

・・・しかし、29日月曜日、また熱を出しました。心が折れる音がします。奥さん5日目の有給です。結局保育園に行けたのは5月2日の木曜日でした。つまり、4月の後半はほぼ保育園にいけてないんです。


その後一端熱は下がるんですが、鼻水がしばらく続き、また37.5度前後まであがります。耳鼻科に行くと、どうも軽く中耳炎になっている模様。で、今は毎朝保育園の前に耳鼻科に通って鼻水を吸引してもらっています。これも地味に大変だったりします。


この保育園に全然行けてないという話を、その検査をした大きい病院の看護婦さんとか、奥さんの会社の子どもがいる女性に聞いてみると、みんな自分もおんなじだったと言うんですよ。

 

つまり、家の中で育てられた子が集団生活に混ざると、免疫があんまりないところにみんなで病気のなすりつけ合いが起こって風邪だのなんだの引きまくるというのは、ありふれた話なのです。しかもそれが、1ヶ月ぐらいでおさまるわけじゃなく「夏が終る頃までは注意が必要かもね」みたいな。


そして昨日、娘が行っている保育園ではインフルエンザにかかった子が出たそうです。ああ、なんて恐ろしい。

 


育休3年なんて議論の前に、まず半年伸ばして欲しい

 

今のところ、ばーちゃん達の協力に、奥さんの有給、そして僕の徹夜をミックスしてなんとかかんとかやってはいますが、正直キツイです。ヤバイです。でも、多分僕らはまだマシな方で、もっとキツイ家庭だってあると思います。


これはもう構造的におかしいと思うんですね。保育園に通い始めると、免疫力の無い子供達が集団生活をすることで大変に病気にかかりやすい状況になります。そして、我が子が初めて病気にかかったというすごく心配な時期と、お母さんが職場に復帰する時期が重なっているのです。


贅沢を言えば、育休の取得時期を半年延長して欲しいというのが正直なところです。それは、1年を1年半にしてくれというんじゃありません。もともとみんな、生まれて1年経っていなくても、保育園に入った時点で育休が打ち切られていましたからね。それを、生まれた時期に関係なく、保育園に入ってから半年間、育休が取れれば最高です。


それが難しいのであれば、保育園に入ってからの半年は、復帰といっても子どもが体調を崩してお休みすることを前提とした環境にして欲しいのです。有給が後いくつとか、数えずにすむような。それは仕組みの面でもそうですし、社会的にそれが当たり前のことだという周知も必要です。

 

もちろんそれが、例えば男の育休取得率をあげることで解決できるならそれでもいいんですよ。(僕の場合は残念ながら、自分で稼いだ分しか入ってこないので、育休というような制度を利用できる立場にありませんが)とにかく、子どもが病気になるタイミングが分かっているんだから、その時に親が看病出来るような社会であって欲しい、これに尽きるのです。


これはあれですからね、育休が3年とれるようになったって、保育園の開始と同時にバッサリ切れば、結局似たようなことが起こりますからね。0歳と3歳じゃあ、3歳の方が遥かにマシだと思いますけど、でも、3歳で保育園に入園した子も、やっぱり最初は病気になりやすいです。

 


支援すべきことは、現場にある

 

保育園に入ると同時に、育休が切れるのがどれだけ大変かって、子どもを育てていない人には分からないんですよ。子どもを育てているけど保育園には入れてないという人にも分からない。現場の人間しか知らないんです。僕も知りませんでしたし、分かりませんでした。


それは、いきなり襲ってくるんです。取り敢えず今日お休みをとる、その状態で、明日も、明後日も保育園に行けないかもしれないと考えた時、ちょっとしたパニックに陥ります。無理をして体力が削れて、親も病気にかかりやすくなります。(実際僕も奥さんも、この間に病気にかかっています。)


すごく大変なんですよ、すごく困っているんですよ。明日だって、明後日だって、娘が熱を出すかもしれないと思って心配しているんです。そういうことを1つ1つすくい上げて改善してくことが支援なんです。


育休3年というのもダイナミックな案なのかもしれませんが、ぜひもう少し、現場の小さな出来事を1つ1つ見つめて、今本当に何が必要なのかを考えて欲しいと思います。

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