2013年

4月

13日

文章を書くためには本をたくさん読んだほうがいいという、嘘

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ライターという、文章を書く仕事をしていますが、僕はあんまり本を読みません。それを言うと、本を読まないと文章が書けないんじゃないか、と言われることがあります。


僕の経験では、文章を書くための努力として特別本を読まなければいけないかというと、そんなことは無いと思います。誤解の無いように言っておくと、本を読むことに価値がないとか、そういうことじゃありません。ただ、文章を書くための努力として1番目に来るものではないと思うのです。

 


文章を上達させるために必要なことは、文章を書くこと


本を読むと何が上達するか、本を読むことが上達します。うちの奥さんはすごく本をたくさん読みます。そして、本を読むのが上手です。感心します。短時間で読み終えて、でもしっかりと要点は掴んでいる。素晴らしい、羨ましいです。本を読むという作業に対して、僕とは経験値が違い過ぎます。


じゃあ、文章を書くのが上手になるために必要なことはなんでしょうか。文章を書くことです。とにかくたくさん書く、できれば目的を持って書く。Webで公開して1万人に読まれる文章でもいいし、あるゲームについて、そのゲームを遊んだことがない人に魅力が伝わる文章でもいいし、友達に読ませて笑いがとれる文章でもなんでもいいです。目的を持った文章をたくさん書く、これに尽きます。


ある目的を持って、文章を書いて、その目的が達成できたかを確かめる。目的が達成できていないと思えば、さらに工夫を加えてまた書く、その繰り返しです。そうしたら、その人なりに文章は上手くなっていきます。


目的を持って文章を書いているという前提があれば、本を読むことは確かにプラスになります。自分が書いているものと比較して、参考になるからです。でも、文章を書いてもいない人がただ闇雲に本を読んでも、文章がグングン上手になったりはしません。


絵を描いてもいない人が、美術館に行ってたくさん絵を見たからって、絵が上達したりはしません。絵が上達するにはどうしたらいいのか、たくさん描くのが1番の近道です。こういう絵を描きたいとイメージを持って、毎日たくさん絵を描かいてこそ、上達していきます。描いてもいないのに、鑑賞するだけで絵が上達するなんて、そんな都合のいい話はありません。もちろん、たくさん描いている人が他の人の絵を見ることはプラスになります。それはやっぱり、自分が描いているものと比較して、参考になりますから。でもあくまで、たくさん描いていることが前提条件です。


絵だと当たり前の話なんですが、どうも文章は、たくさん書かないと上達しないという当たり前の話よりも先に、本を読んだほうがいいと言われることがあるのです。だからここは、声を大にして言いたい、書かなきゃ上手くなりません。

 


インプットは本じゃなくてもいい


本を読まないというと、それじゃあ知識が足りなくて色々なことが書けないだろうとも言われることがあります。でも、別に本だけが情報を得る手段ではありません。


興味があれば、現場に行って、自分の目で見て、人に話を聞いて、そうやって集めた情報には、価値のあるものが非常に多いです。前に、ゲームの記事を書く為に中学生にインタビューをしたことがありました。普通の中学生です。彼らが話す言葉はリアリティがあって、知らないことがたくさんあり、大変に興味深いものばかりでした。


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ある中学生のゲーム事情 前編(AllAboutゲーム業界ニュース)

ある中学生のゲーム事情 後編(AllAboutゲーム業界ニュース)

 

僕はそれこそ、日常の、そこら辺に転がっている出来事の中にも、面白い、興味深いことがたくさんあって、自分の目の前で自分しか見ていない出来事に注目して生活することの方を、オススメしています。



インターネットの記事は良く読む

 

本から得られる情報も、もちろん有益です。ただし、それらは全て誰かがもう書いてしまったことで、本を読めば手に入る情報だということを忘れてはいけません。参考になりますし、何かの考えに対して裏付けになるかもしれませんが、それだけで何かが分かったような気分になって文章を書いてもあんまり面白くはありません。


ちなみに、僕はWebを中心に文章を書いている人なので、本はあまり読みませんが、インターネットの記事は良く読みます。特に、自分の分野であるゲームの記事はたくさん読みます。ほとんどの場合は、参考にするために読むんじゃありません。参考にしないために読むというか、同じような記事を書かない為に読みます。


インターネットの記事を読んで、インターネットに記事を書いてもしょうがないのです。だって、それはもう誰かが書いてしまっていることだから。なので、インターネットの記事を読むのは、まだ書かれていないことを書くために読むのです。


これも、インターネットの記事を読んでインターネットに記事を書いてもしょうがない、という話はわりとすんなり理解されるんですけど、本に置き換えると納得してもらえないこと、わりとあるんです。不思議。

 


自分だけの体験を増やして、他の人が書いていないことを、たくさん書く


文章が上手になりたければ、この3つがとても有効だと僕は思っています。

 

とにかく自分だけの体験を増やす。特別スゴイと思えるようなことでなくてもかまいません、目の前で起きていることに興味を持って、色んな角度から眺める癖をつける。

 

そして、他の人がまだ書いていないであろうこと、自分なりの切り口、視点を見つける。

 

後はとにかくたくさん書く! できれば目的を持って! 試行錯誤を常に続ける!


そこまでやってる人が、「あ、これ参考になりそうだな」と手にとった本は、すごく役に立つんじゃないかと思います。僕が考える文章を書くための本を読むというのは、そのぐらいの順番なのです。

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