これから遊ぶ人へ。モンハンはすごく難しい。でも、その先には宝物がある。

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子どもの頃はゲームをかなりしていたけど、最近はあまりしてなくて、久しぶりにやってみたら、すごく難しかった、と言う人の記事を読みました。


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期待して遊んでみたら、思いの他難しく、その初心者を突き放したような制作の姿勢に腹を立てた、というような話です。モンスターハンター3rd(以下モンハン)は操作が難しすぎて、パズル&ドラゴンズはチュートリアルが不親切である、と。最終的には、自分で試行錯誤したり調べたりすることを前提で作られているのかな、というところで収束してます。

詳しくはリンク先を読んでいただければと思います。

この話については、色んな人から意見がでているんですけど、僕、ある部分でこのブログを書かれた方と同じことをもう一度繰り返していいたいな、と思いました。それはつまり「モンハンってスゲー難しいゲームだよね」ということです。


難しいのが悪いと言いたいわけじゃないです。モンハンは難しいけどすごく楽しいし、面白いゲームです。僕、「ゲームルーム」という自分が主催して毎週やっているゲームイベントで、モンハンのタイムアタック大会とかしてますし。

でも、あれは難しいゲームですよ、メチャクチャ難しいゲームです。そしてリンク先の記事を書いた方は、そんなに難しいゲームだとは思わなかったんですよね。以前はゲームを遊んでいたし多少腕に覚えもある、みんなが遊んでいる超メジャーゲーム、なのに全然できなくてショックだった、こんなに最初から難しいってどういうことだコノヤロー、となっているわけです。

これはね、メディアの責任もあると思うんですよ。メーカーは普通言わないですよ、モンハンは難しいから、初心者はキツイですよ、なんて。でも、難しいゲームは、難しいって思って買った方がいいですよ、その方が幸せです。誰でも楽しめると期待して買ったら不幸になりますよ。それはやっぱり、誰かが伝えてあげた方がいいと思うんです。

というわけで、モンハン難しいよ、めっちゃ難しいから覚悟して遊んだ方がいいよ。でも、上手になってくるとすごく楽しいよ、というお話です。ちょっとリンク先の話と被っちゃう部分もあるんですけど、ご勘弁くださいませ。


最初の頃は、上手にお肉も焼けません。

単純に基本操作が難しいですよね。

元記事の方はPSP版をやられたということですが、だとすると、自由自在に操作する為にはモンハン持ち推奨ですよね。左手の人差指で十字キーを操作さしてカメラ調整、親指でスライドパッドを操作してキャラクター移動をする遊び方。


これはもう、知らない人が見たら曲芸の類ですよ。好きな人は、情熱で乗り越えちゃうんですけどね。最近のニンテンドー3DSで発売されているものは、ボタン一発でボスモンスターを正面に捉えてくれたり、移動を左手の親指、カメラを右手の親指と、分担できるようになったので、だいぶ楽にはなってます。

アイテムを選ぶ操作が、Lボタンを押しながら、○ボタンか□ボタンで左右に切り替えて選択というのも、慣れないと戸惑うと思います。しかも、しかも、アイテムのがどう並んでいるのか、全体像が表示されない仕様なので、ピンチの時にガチャガチャとアイテムを送って探すのはかなり焦ります。

肉を焼くのも難しいですよね。僕、最初遊んだ時に、なんでお肉を焼くのにタイミングをこんなにシビアにしてるんだろうと、ビックリしました。えー、あんな簡単なことが、と思う方もいるかもしれませんが、それはできる人の目線だと思うんですね。できない人には難しいんですよ。「上手に焼けましたー!」って有名な台詞があるのに、それができない! なんで!? ってなります。肉がいい塩梅のきつね色になるタイミングを見逃さなければいいんですけどね、結構微妙な変化ですよね。慣れればたいしたことなかったりするんですが。

序盤に戦う相手は、ドスジャギィとかそこらへんですよね。これがまた、攻撃は強くなく、体力も多くないんですが、小さくて速いモンスターなのです。小さくて速くて弱いというのは、すごくリアリティのある設定なわけですが、初心者がこいつを捉えるのは中々苦労します。

そして自分はものすごく遅くて戸惑う人も多いです。使う武器によって全然違ったりもしますが、大剣なんて使うと、あまりの遅さにびっくりします。剣を抜いたまま戦おうとすると、とてもモンスターに追いつきません。もちろん、戦い方にコツがあるのです。

捕獲用麻酔玉が当たらないというのも分かります。敵を弱らせたら、罠で落とし穴にはめたりして、捕獲用麻酔玉という玉を投げて当てて捕獲するんですが、3D空間の操作がうまくできないと、あらぬ方向に投げるんですよ。これがまた、序盤のボスモンスターは小さいからはずしやすいんですよ。

でも、そんなもんじゃないですから。モンハンはそこから容赦なくガンガン難しくなりますから。



巨大猿化したスーパーサイヤ人が口からカメハメ波

じゃあ、基本操作を覚えれば大丈夫かと言えば、もちろんゲームは進めば進むほど、どんどんどんどん難しくなります。ドスジャギィがかわいく思えるようなモンスターが次々に登場します。火を噴く竜とか、そいつが突然サマーソルトしてくるとか、サマーソルトした時にぐるんと回って打ちつけてくる尾っぽには毒があるとか。最初に出会うと、まさにドラゴンという感じで、うわーやべえなこいつ、とか思うんですけどね。そのうちさらに凶悪な奴が次々出てきます。

やったことない人にもイメージできるように説明するとですね、巨大猿化したスーパーサイヤ人が、ストリートファイターシリーズのブランカの如く回転しながら、猛スピードで上空から体当たりしてきて、ギリギリかわしたと思ったら、そのままバウンドしてホーミングしながらの2撃目、ふう、間一髪と安堵したところへとどめの3撃目……あまりの猛攻に距離をとったら、口からカメハメ波。

みたいな。

戦ってすぐ頭に浮かんだ感想が、「なんだそりゃ」ですよ。もちろんカメラ操作がどうこうとか、剣を抜いてると動きが遅いとか、そういうことを言っていたら一瞬で終わります。自分のイメージ通り、自由自在に操作できて、それでも最初は瞬殺、みたいな相手です。なにこのスーパーサイヤブランカのウルトラコンボ…。


それでも、みんな遊んでいる

ね、なんかヤバイでしょ。本当にこのゲーム難しいんですよ。でも、この難しいゲームを300万人とか、400万人とかが遊んでるんですよ。何で遊んでるのか、面白いからですよ。あいつは火を噴くから、火耐性のある防具を揃えて、毒があるから毒消し忘れないように、一瞬姿勢が低くなったらサマーソルトがくるから回避、そういうことをみんなで確認しながら戦うんですよ、「サマソ来るよ!」とか言って、最高じゃないですか。

巨大猿化したスーパーサイヤ人みたいな奴が見たことないウルトラコンボ決めてきて、ボッコボコにされて絶望するんですけど、何度も何度も対戦して、隙を見つけて、ホーミング体当たりを1撃目、2撃目、もういっちょ3撃目もかわして、わずかな隙に攻撃し、口からカメハメ波をくらっても、アイテム全部空っぽに使い切って、ギリギリの所で勝てたら、思わずガッツポーズでしょう。うおおおおおおおおお!

その頃には、もうまるで自分の手足のように、というか、自分の手足以上に、画面の中のハンターが動いてくれるようになるんです。



モンハンの楽しい遊び方。


最後に、僕がやっている、モンハン初心者の人と一緒に遊ぶ遊び方をご紹介。


僕が毎週やっている「ゲームルーム」というゲームイベントでは、たまにモンハンのタイムアタック大会をしています。初心者大歓迎で、ハンターランク1の人から、3桁の人までみんなが一緒に参加する方法をとってます。それこそ、ゲームルームがあるから、という理由でモンハンを買って、はじめてパーティー組みます、みたいな人も参加する大会です。


どうやるかというと、ハンターランク上位の人と、始めたばかりの人と、その中間ぐらいの人を3人1組のチームにするんですね。武器や防具を序盤のものに制限し、指定したクエストをクリアするタイムを競います。(闘技大会という、タイムアタックに適した仕組みもあるんですが、ここは使える武器の種類が制限されるので使いません。初心者さんは1種類の武器しか使えないという人がほとんどですから)


そうすると、装備は横並びになるわけですが、知識や操作はチーム内で大きな差がある状態になります。そこの差を埋めることができたチームが勝利に近づきます。作戦&準備時間を10分設けるんですが、そこでの過ごし方が非常に重要です。


最初はみんながみんなこのタイムアタック大会の仕組みを理解しているとは限りません。うまい人が、ついつい、いつも通りに戦っていたら、周りは全然うまく動けていない、なんてこともあります。自分がうまいからってただただ華麗に戦ったところで、3人がそれぞれ役割を持って協力しているところには絶対かないません。で、大きなタイムの差がついて、「どうしてどうして」となります。僕はわざと1位のところに戦い方を聞いて、それをみんなにアナウンスします。


2戦、3戦とする頃には、最初の作戦会議がものすごく大事だということにみんなが気が付きます。熟練者の人がモンスターの特徴を伝え、作戦を立案、初心者の人でも分かりやすいように役割や、コツを伝え、持ち物を確認、ゲームに挑みます。初心者の人は不安なことは全部聞いていきますし、熟練者の人もできうる限りのサポートをします。ゲーム中みんなが声を出して、敵の攻撃を警戒し、自分の行動を伝え、チームで戦います。


そうすると劇的にタイムが短くなるんです、驚くほど。これは嬉しいですよ、ハイタッチですよ。


それでも、大タル爆弾Gの起動タイミングを間違えて3人同時に爆死、なんてこともあります。いきなりクエスト失敗、お通夜みたいになるかと言えば、そんなこともないんですよね。そうやってみんなが協力した上での大失敗、自然と笑いがこぼれます。いい思い出と言うやつですよね、むしろその大失敗を言って回りたくなるような。



一回、このチームの楽しさを覚えたら、もう後は操作が難しいとかなんとか、全部些細なことになってしまうのです。モンハンは難しいですよ、難しいですけど、その先に宝物みたいな体験があるから、みんな遊んでいるのです。

毎週金曜夜19:00より、ワイプ代々木北口駅前店、ワイプ広島駅前店にて、みんなでゲームを持ち寄って遊べるゲームサロン的場所「代々木ゲームルーム」やってます。詳しくはこちら