2013年

3月

26日

NHKのパズドラに対する説明が、あまりにヒドイ

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25日に、情報が多様化すると新聞やテレビみたいな旧来の総合メディアが正確で質の高い情報提供をするのは難しくなるよね、というエントリーを掲載しました。


【関連記事】

ゲーム報道に見る新聞やテレビの限界(田下広夢の記事にはできない。)

 

で、僕はゲームライターなので、特にゲームの報道に関しては正確でない表現が気になるということでお話してたんですが、そうしたらこんな記事を目にしました。

 

【関連記事】

ソフトバンク「パズドラ」の会社を子会社に(NHK NEWSWEB)

 

このニュースがあまりにヒドイ。何がヒドイって、ニュースの書き方がヒドイんです。僕が先日挙げたエントリーそのもので、ゲームに詳しくない人が書いていることがまるわかりです。


で、揚げ足取りみたいで大変恐縮ではあるんですが、あまりにタイムリーに、あまりに優秀なサンプルだったので、ちょっと取り上げて、どこがおかしいのか解説してみたいと思います。

 


ガンホーをスマートフォンのゲーム会社と言い切る

 

特に気になる2点に絞ってお話したいと思います。まずは、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下ガンホー)の説明について。


ソフトバンク「パズドラ」の会社を子会社に(NHK NEWSWEB)より引用


「パズル&ドラゴンズ」というゲームで売り上げを急速に伸ばしているスマートフォン向けのゲーム会社「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」


先日の僕のエントリーで

 

「最近のゲーム事情についてよく調べたなーと思う一方で、歴史的背景がすっぽり抜けていたり」

 

と書きましたが、そのまんまですね。


ガンホーは確かにパズル&ドラゴンズ(以下パズドラ)で売り上げを急速に伸ばしている企業ですが、「スマートフォン向けのゲーム会社」と言い切るのは、あまりに大雑把な表現です。

 

ガンホーと言えば、ラグナロクオンラインなどのオンラインゲームを運営する企業として有名です。そのオンラインゲーム運営を行なっている企業がスマートフォンのゲームアプリに乗り出した時に、コンシューマーの大手なんかを押しのけて、パズドラのヒットが産まれたというのが大きな流れです。


もちろん、文字数の制限等あるでしょうから、そんなに手厚く説明できないと思いますが、この場合は最低でも「スマートフォン向けなどのゲーム会社」とするべきです。たった2文字の違いですけど、その2文字に気を使うのがライターの仕事です。

 


パズドラは怪物どうしを戦わせて得点を競うゲーム?

 

もっとスゴイのはパズドラの説明です。

 

ソフトバンク「パズドラ」の会社を子会社に(NHK NEWSWEB)より引用

 

ガンホーは、「パズル&ドラゴンズ」という怪物どうしを対戦させて得点を競うスマートフォン向けのゲームがヒットし


パズドラを遊んでいない人が誤解しないように申し上げておきますが、パズドラは決して「怪物どうしを対戦させて得点を競う」ゲームではございません。ちなみに、プレスリリースなどで公式に出るパズドラの説明には

 

2013年3月12日付け ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社ニュースリリースより引用

 

『パズル&ドラゴンズ』は、「モンスター」を育てて「パズル」でバトルする新感覚のパズルRPGです。

 

というものがあります。

 

モンスターを日本語訳すると確かに怪物ですが、通常、モンスター、クリーチャー、みたいなゲームの表現は、その厳密な表現そのものが重要なので、勝手に変えたりしないものです。こんなふうに変換しちゃうと、ポケモンも「怪物どうしを対戦」させるゲームになりますけど、そんな説明したら怒られます。 


また、バトルを対戦というのは、さらに苦しいです。普通、対戦と言えばプレイヤー対プレイヤーで競う場合のものを指します。パズドラのバトルを対戦と言うと、ドラゴンクエストシリーズもファイナルファンタジーシリーズも、バトル要素があるものはみんな対戦になりそうです。やったことがない人の為に重ねて補足しておきますけど、パズドラにいわゆる対戦要素はありませんからね。


「得点を競う」という部分に至っては、どこからそんな話が飛び出してきたのか見当すらつきません。というか、最近得点を競うゲームって減りましたよね。


しかもです、パズドラの説明をするのにパズルの説明は全くないんですよね。「パズル&ドラゴンズ」というタイトルを見て疑問を持たなかったのでしょうか?

 


ゲームに詳しくないというだけでは済まされない気もしますが・・・


というわけで、NHK NEWSWEBの記事にツッコミを入れてみました。なんでこういうことが起こるのかは、冒頭に紹介した先日のエントリーをご参照いただければと思います。

 

こういう記事が大きなメディアからポーンと出てきちゃって、それがみんなに拾われてつっこまれちゃうというのは、しみじみ厳しい状況にあるんだなあと思います。


そして、こんな話をすると、自分がポカをした時にもブーメランのように返ってくるので恐ろしいなあと、書きながら震えている次第です。気をつけます。

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