「ドラクエ9をつまらなくする方法」の反省会

AllAbouというWebメディアで「ドラクエ9をつまらなくする方法」という記事を書いておりまして。その記事の意図とか、反響とかをお話して、反省会をしてみたいと思います。

僕は記事を書いたあと、かなり詳しく、その反響を調べます。どこでリンクされてるかなあ、とか、どんな反応があったかなあ、とか。ゲームニュースサイトさんから、個人のブログから、はてなブックマークのブコメに2chのスレにウィッヒヒー。コケスレのみなさん、いつもリンク貼っていただいてありがとうございます。みなさんのご意見、いつも拝見しております。

 

Webの記事は読まれてナンボ、リンク貼られてナンボ、否定意見も含めて反応されてナンボなので、そういうのをチェックして、次の記事に役立てるわけです。僕は独特の感性とセンスで書くというのではなく、コツコツ色んな情報を集めて、頭の中でミキシングして、グルグルポンッと記事を作る人なので。

 

で、せっかくそうやって調べてるので、ちょっと間接コミュニケーション的にみなさんのご意見にこっちも反応してみようかと、思ったわけです。あとまあ、何考えてこういう記事書いてるのか、的なお話もしてみようかな、と。

 

こういうものが需要あるか、まだ良く分かりませんが。とりあえず書いてみたいと思います。前後編にわけて、今回は、「ドラクエ9をつまらなくする方法」を書いたきっかけとか、狙いとかのお話です。そして次回、みなさんのご意見に反応してみたいと思います。

 

 

「ドラクエ9をつまらなくする方法」を書こうと思ったきっかけ。

 

まず、今回この記事を書こうと思ったきっかけは2つありました。大層なもんじゃないです。身近な話です。

 

ドラクエ9が発売される前から、数年に1度の大作ソフトですからなんかしら記事が書けるといいなあ、とは思ってました。普通に。で、発売日に買ってですな、ほうほう、面白いなこりゃ、と遊んでいたわけです。

 

そんななか、発売日に近い時期にゲームのお店をやってる店長さん達の集まりに出席する機会がありました。そこで、お話を伺ってみたんですね。どうです?売れてます?みたいな。「30代前後の人が多くて、お父さんがドラクエ買って、子供がポケモンの予約していきます。おかげでポケモンの予約が一気に増えました」とか、「買っていったお客さんが、戻ってきて、マルチプレイの為にもう数本買っていくっていうのが何度かありましたよ」とか、すごく興味深い話がいっぱいあったんですが、もっとも多かった答えは

 

「ネットであれだけ叩かれてる割に売れてますね」

 

でした。で、逆に


「実際のところどうなんですか?面白いんですか?」

 

みたいなことを聞かれたりしました。

 

このときに、きっとWebでの論評がどうして起こったのか、という話は需要がありそうだなあ、と感じたのが記事を書くきっかけその1。

 

それから、僕の周りには別にゲーム業界の人とは限らずに普通にゲーム仲間が何人かいるんですが、その中に、ドラクエ9は今までのドラクエシリーズで1番面白くなかった、という感想の人がいました。その人になんで面白くなかったか根堀り葉堀りきいてみたら、これがなかなか納得のいく感想でした。なるほど、それは確かに面白くなかったろうね、と。しかし、一方で自分はその頃ドラクエを多分40時間くらいプレイしてて、すごく面白いと思っていたんですね。

 

このギャップは面白いなあ、と思ったのが記事を書くきっかけその2。

 

 

「ドラクエ9をつまらなくする方法」のねらい。

 

で、実際に記事を書く際の狙い。これも2つありました。

 

1つは、これからドラクエ9を買おうか迷ってる人が見て、判断基準の1つになる記事を提供するということ。Webでドラクエ9結局買おうか迷ってる人がいた時に、誰かがこの記事が引用したりして、リンクを貼ってくれたりすれば、ベスト、ということですね。その為に、つまらなくする方法だけでなく、面白くする方法にも触れています。

 

もう1つは、賛否両論でてる状況をニュースにした記事はそこそこあったけど、中身について検討しているものはあまり無かったので、そこを突きたいと思いました。まあ、ゲームの中身の詳しい話は大変ですからね、プレイして咀嚼するのが。

 

というわけで、色んな視点が考えられる中、ゲームの中身からドラクエ9の賛否両論について切り込んでみることにしました。この中身の分析が、共感できるものだったり、あるいは共感できなくても反論するに足る濃い内容であれば、アクセスは伸びるだろう、と。

 

この2つがこの記事の狙いというわけです。

 

 

色々と拍車をかけた方。(イラスト 橋本モチチ)
色々と拍車をかけた方。(イラスト 橋本モチチ)

「ドラクエ9をつまらなくする方法」で本当に書きたかったこと

 

ほとんどの記事で、主役は事実の分析ですし、僕の個人的に書きたい話というのはすごく要素として小さくなってます。なので、ちょっとここで補足してみたいと思います。

 

あの記事で表現したかったテーマに、時代と時代の衝突というのがあります。「ドラクエ9はユーザーから文句たくさんでたんだって~wwww」というだけのメシウマ記事は嫌で、なんで文句がたくさんでたのか、どうして文句がでるのか、ゲームが手抜きだったのか、そうじゃない別の要素があるのか、という お話をしたかったんです。それが時代と時代の衝突、今までのドラクエと新しいドラクエの衝突。

 

ドラクエ9はおそらく、ドラクエ7やドラクエ8がターゲットにしていた層と違う層をメインターゲットに設定していました。それはDSとゲームをコ ミュニケーションツールとして使う層。ゲームを攻略するよりも自分らしく遊ぶことで楽しむ層。そういった人達をかなり意識していた作りでした。

 

DSで売れてるタイトルも、Wiiで売れてるタイトルも、そういうソフトはすごく多いんですが、ほとんどは任天堂製で、サードパーティーはついていけてませんでした。こういうゲームが売れる、なんて言葉で言うのは簡単でも、高い完成度で作り上げて、そしてきっちり売るというのは本当に難しいですからね。

 

そういった状況の中で今回ドラクエ9が登場し、ドラクエシリーズとしてはかなり新しいアプローチをして、売上げは好調である一方、「なんじゃこりゃぁ!」となったユーザーもいて、 かなり批判がおこりました。まあ発売日前から批判レビューがあった、なんて話もあるわけで、中にはイチャモンもあるのかもしれませんが、色んな意見の中に は、本当にガッカリしたユーザーの声もあったと思うんです。

 

で、そういう批判があるから駄目かというと、そんなことないと思うんですね。批判もあっていいんです。これがですよ、たいして酷評もされずに「なんか違うよね」、ぐらいの感じであまり売上げも振るわないということであれば、それはもうただの終焉の予感です。ゆるやかに、ゆるやかに終わっていく雰囲気です。そういうタイトルもいっぱいあります。でも、賛否両論でて、議論も起こるのは、何かにチャレンジした時です。チャレンジした時は、新しいものが生まれる時です。

 

ドラクエという日本のRPGの代名詞的存在が、新しいアプローチにチャレンジしたことで、時代の衝突音がダイナミックに轟きました。ガツーンと!節目の音です。僕はそういう節目の音が結構好きなんです。今回のドラクエについて、YES、NO、もいいんですが、この衝突音自体に目をやるのも、なかなか有意義なんじゃないかと思うんです。

 

と、まあ、あの記事の裏っかわで自分が書きたかったのはこんなことでした。

 

 

次回、「ドラクエ9をつまらなくする方法」に対する声

 

次回、Web上で拾った色んな人のご意見に反応してみたいと思います。それでは!