「結チャンネル人狼#30 バレンタイン愛の修羅場SP」解説 キープとキープ

やったことが無い人はわかんないと思うんですが、悪女の時に襲撃されて、朝になって本命と2人で退場するのって、存外に恥ずかしいんですよね。なんなんでしょうね、あれ。こっそりイチャついてるのがバレたみたいな気分になるの。

 

というわけで、この記事は2019年2月10日に配信した「結チャンネル人狼 バレンタイン愛の修羅場SP」の解説記事です。まだ動画をご覧になっていない方は、先に動画の方をご覧になってから記事を読むことを強くオススメします。

 

【関連サイト】

結チャンネル人狼 バレンタイン愛の修羅場SP(niconico)

 

どの試合の解説記事が読みたいかコメントで募集したところ、1戦目と2戦目で競っていましたが、2戦目こそまさに結チャンネルという感じで、なかなか観れない面白おかしい試合だったと思うので、こちらの解説をしていきたいと思います。この時僕が悪女だったので、悪女視点の話もできますしね。それでは、今回もすごく長くなっていますが、よろしければお付き合いください。

 

 

前夜 警戒するからし

 

初日の議論が始まる前の夜。僕は悪女だったので、本命とキープの2人を選んでいました。本命が朝井さん、キープが大野さん。知らない人もいると思うんですが、僕と朝井さん、大野さんは、イシイジロウさんが主宰する「ゲームクリエイター人狼会」の古くからのメンバーで、何年も前から、一緒に人狼をして、お互いによく知っている間柄です。なので、僕にとっては、この2人を選ぶことはとても自然な選択でした。特に、朝井さんはプレイスタイルもよく分かっているので、コンビが非常にやりやすいだろう、ということで本命に選んでいます。

 

この時、朝井さんは自分が霊媒師であることを僕に明かしてくれています。一方大野さんは、本当は護衛なのですが、このことを僕に伏せていました。護衛であることを教えておいてくれると、人狼が護衛騙りをしてきたときに、偽物であるとはっきりわかるといったメリットがあるのですが、大野さんは自分がキープだった場合を警戒して、僕に全てを話してはいませんでした。その警戒は、正しいんですけどね。

 

 

1日目 人狼対人狼

 

議論開始からまもなく、スナパイさん、ハイブリさん、大浜さんの3人が占い師カミングアウト。その後、僕が作戦の提案をします。まず、全員起立。その後、早いもの順に、自分が好きな人に告白をし、告白が受け入れられてカップル成立したら2人は着席。これが残り3人になるぐらいまでやって、最後に余った3人が処刑対象、という告白ゲームです。

 

これを提案するや否や、朝井さんが僕に対して「好きじゃないけど村人だと思う」といって告白、僕と朝井さんがカップル成立で座ります。朝井さん、それはもう大変に露骨に僕をかばいつつ自分も処刑対象から逃れる方法をとってきました。朝井さんは人狼の時もそうですが、仲間を露骨に庇う傾向があります。

 

ちなみに、僕はというと、仲間を庇うつもりなど全くなく、隙あらば朝井さんとも、大野さんとも揉めようと思っていました。それが結果的に、2人と自分を守ることになる、という考えです。とくに朝井さんは僕が少々つついたぐらいで処刑されるタマではないので、むしろ真っ白になった方が危ないぐらいだと考えていました。

 

大野さんは、僕が座ったのを見て、自分も座らなければと思い、女性陣に声をかけまくります。しかし、最初に告白した味里さんに断られる「じゃあ…」ときゃんちさんに声をかけて、また断られ、それがまたダメとなると「じゃあ…」と尚子さんに乗り換えようとすれば、即座に嫌がられるという具合に、ことごとく断られていきます。

 

尚子さんが大野さんを断った時、起立したまま残っていたのが、占い師3人の他は、尚子さん、めーやさん、川崎さん、大野さん。大野さんはここまで断られると人狼の仲間がいないだろうということで、逆に村人寄りに見られます。いかにも大野さんらしいプレイですね。尚子さんは、残り少なくなっているにも関わらず大野さんの誘いを即座に断ったところが人狼らしくありません。そうすると、残った川崎さん、めーやさんが怪しく見えてきます。

 

残り時間が少なくなってきたところで、大浜さんが、占い師3人か、カップル不成立の4人のどちらかを処刑対象にしませんかと提案。尚子さんがその提案に呼応して、自分は占い師の中では大浜さんを信じているので、本当は大浜さんとペアになろうと思っていた、と自分の考えを提示しました。尚子さんの考えを聞いて、スナパイさんが、尚子さんは、自分が村人だと知っている人物だと明かします。尚子さんは村人であり、大浜さんは偽物なので、尚子さんが大浜さんを信じるのはスナパイさんとしてはなんとも都合が悪い、という話を展開します。

 

スナパイさんが自分が知っていた村人を明かしたので、それにあわせて、ハイブリさんが、僕を村人だと知っていたと明かします。すると大浜さんも、僕が村人と知っていたと言って、僕は2人の占いしから村人判定をもらう形になりました。悪女的には、襲撃可能性をあげてしまうのであんまりおいしくありませんね。

 

占い師を処刑するのか、カップル不成立の4人を処刑するのか決まらないまま議論は終了。投票に入ります。投票では、まず僕がスナパイさんに投票します。僕は悪女ですが、スナパイさんが偽物だろうと考えての投票でした。尚子さんが村人だと知っていたのであれば、もっと早い段階でそれを明かす方が自然だろう、と考えたからでした。尚子さんは最終段階まで立ったまま残っていた人です。

 

スナパイさんは、これに反論して僕を人狼の可能性がかなり高いと疑いますが、ちょっと根拠が弱かったかもしれません。僕が人狼だった場合に、大浜さんとハイブリさんが僕に村人判定を出していることから、僕はスナパイさんが真占い師であると気がつくことになります。その時、投票で殺せそうな時にこっそり上乗せすることはしても、誰もスナパイさんが怪しいと言っていない段階で、先陣を切ってケンカを売りに行くのは相当リスクの高い行動に思えます。処刑できなければ占われる位置に行きますからね。

 

朝井さんがこの点を指摘して、スナパイさんに投票を重ねます。これは、スナパイさんを人狼と見ている部分と、僕を庇う両方の意味があったように思います。

 

その後投票が進んで、ハイブリさん1票、大浜さん2票、スナパイさん4票、川崎さん2票、残り4票というタイミングで、川崎さんが「決めます」といってスナパイさんに投票します。これ、嘘というか、間違いですね。決まりませんね。スナパイさんが5票、川崎さんが2票、残りが3票なので、残り全てが川崎さんに入ると決選投票になります。この「決めます」という間違いは、微妙な効果をもたらします。

 

尚子さんが、投票からスナパイさん真占い師の可能性があるとして、決まってしまったけど…といいながら川崎さんに投票。繰り返しますが、決まっていません。きゃんちさんが自分では決められないからという理由で、川崎さんに。最後に味里さんが、なんとなく怪しいから、という理由で僕に投票、これが最終票であり決定票となって処刑がスナパイさんに決まります。

 

おそらくご本人は気がついていないと思うんですが、この時の味里さんの投票は相当おかしいですね。僕がなんとなく怪しい、人狼の可能性があるとして僕に投票してしまうと、僕が処刑できないばかりか、僕が怪しいと言って投票したスナパイさんが処刑されてしまいます。この場合は、川崎さんに投票することでスナパイさんを救う方が筋が通っていて、僕に投票することで、僕の意思を尊重する形になってしまっています。おそらくは人狼経験の少なさからくるミスだと思われますが、投票が遅いこともあわせて、ゲームを左右する極めて重要な行動になります。

 

もう1つ重要な投票を1つピックアップしておくと、結さんが川崎さんに投票していますね。今回の人狼は、スナパイさん、川崎さん、結さんなので、仲間の川崎さんを切りにいった形です。しかも、占い師の中で選ぶ流れを、スナパイさんと川崎さんで選ぶ流れにしている投票で、人狼的には非常に危険です。最も、スナパイさんも川崎さんも相当疑われていたので、ここで結さんが川崎さんと関係を切っておくのは大変に有効な手だったと思います。

 

ちなみに、試合後川崎さんが、1日目から結さんが川崎さんを切りに行ったので悪女陣営を疑ったと言っていますが、これは間違いですね。人狼が悪女陣営になった場合、自分が生き残って試合を終えるには人狼勝利しかありえないので、仲間切りの理由にはなりません。

 

と、いうわけで、最終的にスナパイさんが処刑されて初日が終わります。

 

 2日目 霊媒師の視点、悪女の視点

夜が明けると、尚子さんが襲われていました。尚子さんは初日処刑対象になるところまで残っていた人物であり、霊媒師である可能性は非常に低く、おそらく人狼は悪女陣営を狙って噛んだものと思われます。また、尚子さんは数少ないスナパイさんの真占い師の可能性を提示していた人物であり、そこを襲撃することでスナパイさん真占い師説を考えさせる意味もあったかもしれません。

 

占い結果は、大浜さんが襲撃を受けた尚子さんに村人判定、そして、ハイブリさんが結さんに人狼判定。

 

結さんはハイブリさんから狼判定をもらうと、すぐに「私霊媒じゃないよ~」と宣言します。全くあわてる様子がなく、また、霊媒師乗っ取りの可能性を即座に捨てた点が、人狼ではないように感じられました。これはいいプレイでしたね。

 

この結さんの動きに、即座に反応した人物が2人いました。僕と朝井さんです。僕と朝井さんは霊媒師が潜伏していることを最初から知っているので、結さんが霊媒乗っ取りのチケットを簡単に手放したということにすぐ反応します。なおかつ、朝井さんは本当は霊媒師なので、スナパイさんが人狼であることを知っています。

 

そこで、僕は尚子さんが霊媒師の動きに見えないことから、悪女陣営に霊媒師が堕ちている可能性が高いことを主張し、朝井さんはスナパイさんが狼であると考え、結さんが狼でなさそうなことから、ハイブリさんが狂人、大浜さんが真占い師の可能性が高いと主張します。

 

この日朝井さんは、スナパイさんが狼であると仮定し、昨日最後から2番目に川崎さんに投票して、スナパイさんとの決選投票の可能性を残したきゃんちさんを怪しみ、そしてスナパイさんとせっていた川崎さんを人狼ではないだろうと推理します。きゃんちさんからスナパイさんが本物の占い師である可能性について言われても、それは自分と意見が違う、として可能性を追いません。これはきゃんちさんがトンチンカンなわけではなく、朝井さんが霊媒師でスナパイさんが狼であることを知っているため、それを元に自分の推理を組み立てているという構図です。

 

おかしなことを言っているわけではないんですが、悪女陣営はこの日かなり情報をボロボロと漏らしていました。そしてその電波を最も強く受信したのは、大野さんでしょう。

 

投票はほとんどの票がハイブリさんに集まります。注目ポイントとしては、川崎さんが初日の投票について、結さんがスナパイさんを庇って自分に投票してきたから、結さんが怪しいと主張し、結さんが、スナパイさんを庇ったわけではなく川崎さんが単独で怪しいから投票しただけだと返す一幕があります。人狼同士で丁寧に丁寧に切りあってますね。

 

また、結さんは、川崎さんを怪しいと言った後、大浜さんについては、結さん視点でハイブラさん偽が決定したことから真占い師であると言いたいが、尚子さんを占っていることが解せないため、スナパイさん真もあり得るとしています。これも翌日、重要な発言となります。

 

また、大野さんが、投票はハイブリさんとしつつ、悪女堕ちした霊媒師は朝井さんか結さんであると予想します。大野さんからすると僕が悪女だということが分かっているので、朝井さんと結さんが最有力候補になるのは実に自然です。朝井さんは昨日まっさきに僕を座らせ、今日霊媒師の視点で推理をしていました。僕は今日の投票時に結さんを人狼にはとても見えないと主張しました。大野さんからすればそれはもう、恋敵のニオイで鼻が曲がりそうになるくらい怪しいでしょう。そして大野さんはこれを言うことによって、人狼がどっちかを襲撃することを期待していました。

 

この日は、ハイブリさんが処刑となります。

 

 

3日目 キープ騙り

 

朝になると、僕と朝井さんが襲撃されていました。昨日の大野さんの誘導のかいがあったのか、見事悪女陣営は姿を消すこととなりました。

 

大浜さんの占い結果は味里さん人狼です。その上で、大浜さんは結さんにも矛先を向けます。結さんは占い師について、大浜さんを信じ切れず、スナパイさん真占い師もあり得ると、はっきりしない態度をとっていました。ハイブリさんから狼判定を貰っているのであれば、大浜さんを占い師と信じてもよさそうです。しかし、煮え切らない態度はいかにもおかしいというのが大浜さんの主張です。

 

この結さんの態度から、ハイブリさんを狂人とし、ハイブリさんが狂人誤爆で結さんを当ててしまっているため、結さんはハイブリさんを偽物としつつも、本物である大浜さんを信じることができない狼である、というのが大浜さんの推理でした。

 

この推理は、大浜さんには珍しく、論理的にはかなり粗があります。リアルタイムで気がついた人、どれくらいいますかね?

 

まず、大浜さんの占い結果で味里さんが人狼である、とでています。味里さんは初日の投票でスナパイさんと川崎さんが1票差だった時に、最終票をにぎってスナパイさんにとどめをさした人物です。よって、味里さんが狼の時にスナパイさんが人狼である可能性が極めて低く、大浜さん視点ではスナパイさん狂人、ハイブリさん人狼が濃厚となります。そして、人狼濃厚であるハイブリさんから狼判定を得ている結さんは、人狼である可能性が極めて低くなります。

 

しかし面白いもんですね、動画を観返してもそう思うんですが、冷静に時間をかけて大浜さんの説を検証すれば穴があることは分かると思うんですが、現場で大浜さんが説を提示したその瞬間は、そこにある種のリアリティのようなものが漂っていたと思います。結さんの煮え切らないふるまいが、大浜さんの説に信ぴょう性を与えていました。

 

そして、そのリアリティ、信ぴょう性は、結さん自身も感じていたことでしょう。味里さんに人狼判定が出た時点で、大浜さんが狂人であることが結さんから見て確定するのですが、安堵する間もなく、狂人から刃をつきつけられて、多少なりともあわてたはずです。

 

おそらく結さんは、これを完全に否定するのは難しいと考えたのではないでしょうか。ある程度認めてしまった方がいいと思ったのではないでしょうか。そこで、見たこともないような手に出たのです。そう、キープ騙りです。

 

結さんは大浜さんに言います。大浜さんの違和感はもっともだと、何故なら私は嘘をついていたから。自分はキープであり、そして霊媒師である。スナパイさんが狼だと知っていたけれど、それをつまびらかにすることは霊媒師であることを喧伝しているようなものだから、煮え切らない態度をとっていたと説明します。

 

結さんの計算では、もしキープが生き残っていたとしたら、霊媒キープ対決をすればいいと考えていたでしょう。村人に霊媒師を2人とも処刑する余裕は残されていません。2人の霊媒師を両方処刑すると、狂人を含めた狼陣営と村人陣営が同数となり、勝ち目は極めて小さなものになります。

 

しかし、そうは問屋が卸しませんでした。結さんに対抗したのは大野さんでした。しかも彼は、自分は何の能力も持っていない、いわゆる素村のキープだと主張したのです。こうなると結さんの旗色は非常に悪くなります。結さんは大浜さんに痛いところを突かれて思わずカミングアウトをした格好、対して、大野さんが人狼だった場合に、初日にふられまくって村人寄りに見られて以来、誰からも疑われていなかったのに、わざわざ素村キープでカミングアウトするメリットが全くありません。

 

タハックさんが唯一、僕が結さんを人狼には見えないと断じていたことを理由に、大野さんを騙りキープと推理しますが、ほとんどの人が結さんに投票し、この日は結さんが処刑となります。

 

 

4日目 対立軸

 

襲撃はめーやさんでした。大浜さんの占いは、大野さんに村人判定です。この日の議論は、とても難しいです。なかなか真相に近づいていきません。

 

すごく重要なポイントは、大野さんと結さんは対立していました。結さんと大浜さんも対立していました。しかし、だからといって、大野さんと大浜さんが仲間だとは限らない、なぜなら大浜さんが狂人の可能性があるから、という点です。ここに踏み込むことができてなく、村はかなり危険な道を歩みます。

 

大野さんは、大浜さんを真占い師と見て、結さん、味里さん、スナパイさんを狼だと考えました。この考えの厳しいところは、初日の投票です。味里さんは、スナパイさんと川崎さんが1票差の場面で、最終票を握りながら、スナパイさんを見捨てて僕に投票しています。あの場面で川崎さんに投票すれば決選投票にできたのに、わざわざ最終票までもってスナパイさんを見捨てる選択をするのはかなり不自然です。ただし、大野さんはこれを見捨てた投票ではなく、仲間のスナパイさんに入れることができず、つい僕に入れてしまった投票、と評価しています。

 

実際のところ、まだスナパイさん生存の可能性があるタイミングで、川崎さんが「決めます」といって、尚子さんも「決まってしまったけど…」と言っているので、もうスナパイさんが助かる可能性はないと勘違いしていた、という推論は成り立ちます。

 

味里さん視点では、大浜さんが偽物なので、大浜さんと大野さんが狼で結託しているストーリーを追おうとしています。味里さん視点では大浜さんが確実に偽物、大野さんが人狼だった場合は結さんは村人になるため、ハイブリさんも偽物となり、スナパイさんが真占師。大浜さんと大野さんが人狼だった場合は、残る狼は朝井さん。大浜さんが狂人で大野さんが狼だった場合、タハックさん、きゃんちさん、川崎さんの中に狼が残っている可能性もあります。

 

上記のストーリーは、どちらも大浜さんと大野さんがセットになっていて、そこが間違っています。大変に危険な状況ですね。

 

全ての謎が解明できなくても、シンプルな対立軸で考えることができればまだ望みがあります。1つの考え方は、結さんと大野さんのどちらが本物のキープで、どちらが狼か。そして、もう1つの考え方は、大浜さんと味里さん、どちらが村陣営で、どちらが人狼陣営か。この2つの2択が確実な対立軸で間違いがありません。しかし大野さんは大浜さんを真占い師、味里さんとラストウルフと見ているので、自分と味里さんのどちらかの選択を提案してしまいます。これはどちらを選んでも村人が負ける非常に危険な選択肢でした。

 

投票は、大野さんと大浜さんが味里さんに、味里さんが自分に狼判定を出して偽物と分かっている大浜さんに投票、川崎さんが大野さんに投票します。ここで川崎さんが大浜さんと大野さんに投票をばらしたのは村人からすると不可解ですね。タハックさんは、大野さんでも大浜さんでも同じだから投票をばらすのはやめて欲しいといいますが、同じじゃないんですね。川崎さんからすれば、もちろん味里さんに投票して処刑するという手もありますが、大野さんと味里さんの2択にするのが最も安全で楽に勝てる方法なのです。これは両方とも間違いの2択に誘導する1票になっていました。

 

この投票は巧妙な分、今まで消していた川崎さんの人狼臭がわずかに感じられる、違和感のある投票でした。しかし、そこに気がつく人はいないようでした。単に川崎さんがおかしな投票をしている、と思ってしまったかもしれません。

 

タハックさんときゃんちさんが続けて大浜さんに投票し、この日は大浜さんが処刑されます。

 

 

5日目 完全な潜伏

襲撃はきゃんちさんでした。

 

投票の話からいきましょう。大野さんは持論をそのままに、味里さんへ投票。味里さんは大野さんへ投票し、川崎さんは大野さんの方が本物のキープらしいと考えて味里さんへ。

 

最後、タハックさんが決定票を持ちます。タハックさんを以外の3人について、人狼の可能性を1つずつ追ってみましょう。前提として、4人の中に人狼が2人いると村が滅んでしまうので、生き残っている人狼は1人だけです。

 

大野さん人狼の場合、結さんが真霊媒師。結さんに狼判定を出しているハイブリさんは偽物、大野さんに村人判定を出している大浜さんも偽物。今日村が滅びていないことから、残りの1人は朝井さんということになります。そして朝井さんですが、大野さんが2日目に霊媒師の悪女は朝井さんか結さんの可能性が高いと宣言しているところが、大変微妙であると言えます。

 

味里さん人狼の場合。大浜さんが真占い師、大野さんが村人になるため、結さんが人狼となり、ハイブリさんが狼誤爆してしまった狂人、スナパイさんが人狼です。繰り返し説明していますが、この場合は、初日の投票で味里さんがスナパイさんを見捨てていることが気がかりとなります。

 

議論中、全く考察されていませんが、川崎さんが人狼の場合。川崎さんが人狼の場合、大野さんは村人となるため結さんが人狼。しかし、川崎さんは初日に結さんに投票されて以来結さんと対立しつづけていることから、人狼の可能性が非常に低く感じられます。さらに言えば、占い師は結さんを処刑に追い込んだハイブリさんと大浜さんの中に狼がいるとは考えにくく、スナパイさんが人狼濃厚。だとすると、結さんは、3人カミングアウトした占い師の中で1番疑われて虫の息である人狼仲間を助けるために、グレーの人狼仲間の方を危険に晒したことになります。これもあまりに不自然な行動に思えます。

 

しかし、正解は川崎さんなんですね。これは結さんと川崎さんが見事でした、きちんと考えれば考えるほど、見破ることが困難だと思います。それぐらい、川崎さんと結さんはリスクを覚悟で、決定的な場面で徹底的に関係性を断っています。

 

タハックさんは、大野さんが人狼だった場合、残り1人の狼は朝井さんで決まり、そして朝井さんは狼の印象が無かったということで、味里さんに投票します。

 

川崎さんは、大野さんと味里さんがいれあった時点で、どちらに入れても自分が処刑されることはなく、勝利が確定していました。

 

 

6日目 大野さんの正体

タハックさんが襲撃され、大野さんと川崎さんが残りました。川崎さんが狼なので人狼の勝利です。大野さんはここで、護衛カミングアウトをします。そう、大野さん護衛でしたよね。タハックさんを守ることができれば勝てたんですが、残念ながら前日にタハックさんを守っていたため、できませんでした。

 

大野さんは1日目が始まる前に、悪女である僕に素村騙り、2日目に恋敵の朝井さんをほぼ特定、3日目素村キープで対抗、そして実は護衛キープでした。護衛カミングアウトのタイミングを計りながら、最後まで隠し通して、万が一間違えた時の護衛成功にかけていました。結果、最初から最後まで、嘘と真実を巧みに混ぜた見事なプレイをしていました。

 

人狼陣営は、初日、人狼2人が処刑候補となる最悪の展開。しかしそこから立て直します。結さんと川崎さんは徹底的に対立して完全に関係を切り、結さんがまさかのキープ騙り。僕は、悪女ですから、即座にそれが騙りだと分かりましたし、だからこそ、本当に驚きました。思いついても、カメラの前で、いきなりできるか、自分だったらできるか、到底無理でしょう。見事です。結さんのキープ騙りは、最後の場面で味里さんと大野さんを対立させるのに十分すぎる役割を果たしました。

 

結果残された川崎さんを、最後選択肢にも入れさせませんでした。言葉数こそ少ないものの、慎重かつ狡猾で、非常に強く、そして面白い人狼だったと思います。